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第37回つくばマラソンに出走 初サブスリーに挑戦(前編)

2017年11月29日
11月26日(日)第37回つくばマラソンに出走してきました。

「第37回つくばマラソン」3日前の状況

 前日は今までやってきたことを反芻する。
去年の初フルマラソンでサブ4すら切れずに自分はこんなものだったのかと悔し涙を流し、元旦から奮起し走り続けた1年。
幾度のけがを乗り越え4000㎞を走ってきたこと。
日々の柔軟ストレッチ、スクワット等の筋トレ、プロテイン摂取による筋肉強化、減量..
ここまで来た以上、やはり一人のランナーとして誰もが憧れる3時間以内のサブ3を取りたい。完走するランナー全体の3%の狭き門。通常これを数年かけて達成するものを1年以内で達成しようというのだから、毎日できる限りの努力をしなければ達成などできない。これを自分なりにやり抜いてきた。
春からフルマラソン4レースに出て経験を手にいれた。勇気と力をくれ応援してくれる仲間もたくさん増えた。

「今年全力で走るのも残り42.195㎞。」
そう思いながら就寝する。

当日は予定通り、出走時間9:00の4時間前の5時に起床し前日に買って置いたお弁当を食べる。普段の練習で敢えて空腹状態で走る練習もしてきた。脂肪をエネルギーに替える事を体得させるためだと本に書いてあった。
エネルギー不足になると勝手に脂肪がエネルギーに変わる訳ではない。プロアスリートはトレーニングしてるのだと。
最近のレース前の朝食は腹八分目にしている。以前はレース中盤以降のエネルギー不足が心配で朝に2食分を平らげてレースに望んでいたが、極力体重を上げないで軽やかに走りたいことと途中で便意が起きないための配慮からだ。今は自分に合った吸収効率の良い栄養ジェルをレース前とレース途中の10㎞、20㎞、30㎞摂取することで調整している。
しかも今回はフランス製の最終兵器を取り寄せた。35㎞地点で摂取するこのジェルは摂取後30分間、残った体内のエネルギーをすべて放出すると言われアスリートが利用しているものだ。話を半分としても心理的効果はとても大きい。これをお守り替わりに35㎞地点まで振り絞って走ろう。もうワクワクが止まらない。

【右2つはスタート30分前に摂取。後は右から10㎞地点、20㎞地点、30㎞地点、35㎞地点】


会場から10㎞先のホテルに宿泊したため6時15分にホテルを出てレンタカーで会場から2㎞先のコインパーキング場に停める。周りを見る限り何か所もあるがどこも満車に近い。価格は1日停めて200円とリーズナブルだ。
会場まで歩く途中、どこも紅葉が綺麗で足が止まる。気温は3度と寒いが、昨日の家を出てくる際の吹雪と高速道路上での2箇所の事故で大渋滞を思い浮かべるとまさに別世界。


【前日、千歳空港に向かう途中の風景】


7時に会場入り。続々とランナー達が集まってくる。
チームメイトの代表と会い、寒いのでウィンドブレーカーを着て一緒に1㎞ほどジョグをする。

手荷物預かり所は仮設テントとなっているが、会場内に無料のコインロッカーが数は少ないが設置していた。こんな寒い日はレース直前まで厚着をしていたい。探すと1箇所だけ空いている。「なんてラッキーなんだ。今日はツイている。」そう思いながら全ての物をロッカーに入れる。
その後、もう一度最終確認に2㎞ほどジョグをし脚の状態を確かめる。

「調子は悪くない。すべては予定通り。」

【荷物預け所の様子】


【スタート地点の様子】


並ぶのはスタート9:00の30分前の8:30分と現地に来て朝に決めていた。本当は45分前に並びBブロックの前列に並ぶ予定だったが、想定外の寒さだったためギリギリまで厚着をし身体を冷やさない選択をした。
45分前から選手たちが続々とスタート地点に並び出す。
ロスタイムを考えると早く並びたいがもう少しの我慢。
「落ち着け、全ては計画通りに進めるんだ。」

トイレも済ませ、8時20分になりそろそろロッカーに戻り、ウィンドブレーカーを脱ぎ、30分前のジェル2つを飲んでからスタート地点に並ぼうとロッカーに向かう。

そこで問題が起きた。

「ロッカーの鍵が無い!。」

一瞬で血の気が引く。どんなに探しても無い。
ザーっと音を立てて積み上げた計画、自信が崩れて行く。

ウォームアップの際に落としたのだ。
いつもは利用しないロッカー。いつもはしないウォームアップ。いつもは計画など立てない並ぶ時間。
朝食の腹八分目。尿意を催さないように並ぶ直前にドリンクを飲もうとしていたこと。
全ては裏目に出たのだ

冷静になるよう自分を諭す。

「もう今更会場を探しても人混みの中見つかるはずは無い。その前に時間が無い。ここまで来た以上走る以外の選択は無い。問題は走行途中のエネルギー切れハンガーノック。じゃぁどうする。予定の巡航速度を落とし間違いの無い3:10分を狙うのか。これでも立派なパーソナルベストだ。いや何か方法あるはずだ。こんな試練が最後に残されていたのか。もう時間が無い。」頭の中で言葉が飛び交う。

すぐに名案が浮かぶ。「そういえば、どの大会も数キロ地点置きのエイドにバナナ、アンパン、フルーツなどの給食がある。体内吸収に30分以上かかることを考え前半から積極的に捕食する。」

タイムを狙っている大会で捕食したことが無いし、その前に時速14㎞の速度で走りながら物を食べた経験が一度も無い。あるはずも無い。

だがやるしか無い。
「まだサブスリーの道は残っている。この試練を乗り越えてこそだ。こんなしょうもないことで挫けない。立ち向かってやる!上等だ。」
負けん気魂に火が付き、スタートラインに並ぶ。Bブロック中ほどをキープ。余計なことは考えずレースに集中することを心掛ける。決戦の時。


続く

第37回つくばマラソンに出走 初サブスリーに挑戦(後編)