第2回うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン 251kmに挑戦〜後編〜
今回も昨年のハーフ参加(南相馬市〜郡山市)同様に、同じ道を辿り思い出にふけながら仙台空港から市電とJRで原ノ町に行き徒歩で2km先のホテルもりのゆに宿泊することにした。宿泊先からスタート地点のサンライフ南相馬まで徒歩2㎞と立地条件が良く、何より時が止まったように昔を感じ落ち着くホテルだ。ここから毎年7月末に開催される相馬野馬追奇祭の会場も近く、いつか見たいと思っている。
原ノ町駅前
もりのゆ
レース終盤で十五夜を迎える。鈴虫の音色がやけに懐かしく感じる。
今回は体力温存のため町の散策はせず、部屋食でゆっくりと過ごす。
レース当日、昨年同様に会場に行く途中の三好屋さんで昼食。女将さんが良く覚えていてくれて心温まる。やっぱり来てよかった。
受付け会場のサンライフ南相馬
受付け13:10〜14:30、開会式14:30〜16:30
スタート前
旅先のレースでは知り合いとの再会が何よりも嬉しい。マラソンを始めて4年目。100km以上のウルトラはまだ3年目であるがレースを重ねるごとに顔見知りも増え、たくさんの方々と挨拶を交し健闘を誓い合う。
今回は2日前まで大会に出るかどうか珍しく気持ちが揺れ動いていた。今までも数多くの怪我と付き合いながら走ってきた。アキレス腱や股関節の痛み。それでも走り切れるという自信は揺らいだことはなかった。でも今回は初めての脛の痛みで時折骨抜きになったかのように力が入らなくなる。2月初旬の別府マラソン以降は、ロング走に徹してきたが先月の2019北海道マラソンと、シベチャリマラソンのための練習で短期間に高負荷をかけ過ぎたのだと思う。
「起こるか解らない先の心配事はせずに今回はペースを抑え、旅ランを楽しみながら走り抜こう。」
心に誓う。
【コース図】
18:00 スタート
和やかな雰囲気の中、自分への期待に胸を膨らませスタートする。数キロすると辺りは暗くなり、ヘッドライトを点灯させ淡々と走る。はっきり言って夜間走は曇り空だと月明りに照らされる微かな景色や、天の川など星空は見えず面白味は無い。走る路側帯や歩道は排水溝の蓋の上となっている場所など小さな段差がある道が多く、昨年の20km付近で転倒したことを思い出していた。気を付けないとと思っている矢先に去年と同じような場所で段差につまづき、両手でダイブする。幸い地面に手が先に付いたため大事には至らなかったが、脛の痛みが強くなったことに気が付く。転倒の際にねじったからかされともこれまでのアップダウンで悪化させたのか。
峠の上り35㎞付近で憧れの24時完走の世界チャンピオン高橋伸幸選手と並走する。数キロだったが色々な話を聞くことができ幸せな時間が流れる。もう少しお話しをしたいと思いながらも脛の痛みが大きくなり、ペースを落として走ることにする。42km以降の峠の下りでは脚が着くと激痛に変わり、完走は難しいと悟る。
CP2 48.6km
これから先、怪我を悪化させてまで走る意味を自問自答しながら先を進んでいたが簡単に諦めることなどできない。今すぐに走るのを止めようが、昨年走り切った122km地点のレストポイントCP6まで走り切ろうが他人から見ればリタイヤ(DNF)としか映らない。それでも自分が今出来る限界までやる切ることが自身の後悔を最小限にし、今後の大きな夢への糧になるに違いない。
昨年見た心にある景色と重ね合わせながら、前へ進む。追い越して行くランナーやエイドスタッフ、通りすがりの人からの声援、どれもが有りがたく喜びを噛みしめながら走っている。
全ての意味を無くしてしまう気がして何度も痛みに耐えきれず立ち止まるが、歩いては進む気にはなれなかった。脛から足首にかけて腫れあがり、経験の無い痛みの激しさから疲労骨折が頭に過りながらも痛みの意識を外に移し懸命に前に足を進めた。
「絶対的な力を身に着け、いつか必ずこの地にきっと戻ってくる。」
122km CP6に辿り着き、ためらう気持ちを抑えスタッフに人生で初めてDNFを告げた。
【結果】
9時38分 リタイヤ
122.0km 15:36'06"
《本大会エントリー者数》
251K 148人、122K 87人、129K 73人、計308人
《出走者数》
251K 140人、122K 76人、129K 63人、計279人
《完走者数》
251K 74人、122K 60人、129K 53人、計187人
《完走率》
251K 52.86%、122K 78.95%、129K 84.13%、平均67.03%
【大会記録一覧】
「スポーツエイドジャパン」で検索頂くとのスポーツエイドジャパンのHPより「第2回うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン 記録」をダウンロードできます。
最後に
大会運営に携わった方々、応援頂いた多くの方々、いつもお力添えを頂く皆さま本当にありがとうございました。心から感謝致します。
去年以上に旅ランを満喫し携わって頂いている方々への感謝を胸に持ちながら走ることができました。完走は叶いませんでしたが、それ故に人の辛さや痛み、優しさをを今まで以上に感じ、覚えた気がします。この悔しさを糧にはもっと強くなり、必ず戻ってきたいと思います。
素晴らしい経験をさせて頂きありがとうございました。
≫第2回うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン 251kmに挑戦〜前編〜