第3回うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン(後半の部127km)の旅
第一回大会は福島県南相馬市をスタートし相馬市、伊達市、福島市、二本松市、本宮市を走り郡山市でゴールの122km(ハーフ)部門第1回 うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン 122㎞
昨年は6月15〜16日 第一回日光千人同心街道四十里ジャーニーラン(161.6km) と7月13〜15日 第4回みちのく津軽ジャーニーラン(263㎞) と出走し、9月に第二回大会となる うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン250km(フル)部門に挑んだものの、痛めていた脛の痛みが悪化し123kmのレストポイント(CP6)で無念のリタイア。途中でリタイアというのは人生経験初めてのことでこの一年この悔しさを忘れずリベンジを誓い、日々のランニングと身体のケアを続けてきた。
今年は特に春先からの大会がコロナ禍で中止となり、年内の大会開催は諦めていたが走り初めて5年が経ち走る意義について変化し、今では日々のランニングはトレーニングというよりも、生活をする中で欠かせない物となっている。走ることによる多くのプラス効果を実感している。
その最中、8月に250km(フル)部門は無くなったものの前半の部(123km)、後半の部(127km)の開催が決まった。感謝を胸に最後まで笑顔で駆け抜けることを誓う。
◉大会概要
部門 : 前半の部 123km、累積標高 +1,200m
日時 : 9月19日(土) 17時スタート、制限時間23時間
コース : 相馬市〜伊達市〜福島市〜二本松市〜本宮市〜郡山市
部門 : 後半の部 127km、累積標高 +1,330m
日時 : 9月20日(日) 14時スタート、制限時間24時間
コース : 郡山市〜猪苗代町〜会津若松市〜背炙り山〜郡山市
今回は8月末のふくらはぎの軽い肉離れと、大会1週間前の対向車の居眠り運転による2台が廃車となる事故で首のむち打ち症状に悩まされていたため7割方の力で気楽な予定を立て、走りながら身体の状態を見ながら工程を決めることにした。このコースは山間が多く途中リタイヤとなっても帰る交通機関が無い。この大会は途中リタイアでも原則自分の力で帰らなければならない。又、大会で用意されているCP(補給処)もおおよそ20km毎と少なく、これ以外の補給やトイレなどは自分で計画を立てる必要がある。夜通し走ることから気温や天候の変化、身体の不調にも対応できるように自ら装備をリュックに背負い走る。全て自己責任。ジャーニーランの醍醐味でもある。
作成した計画表
今回は昨年の過ちは決して繰り返さない様、初めは速度を落とし身体と相談しながらマイペースで走る事を心に決めていた。またいつもは周りの走者が気になって落ち着かないチェックポイント(CP1〜CP5)では必ず足を止め、スタッフの人達に笑顔で会話を交わしエイド並ぶものは全て食べようと決めていた。それ以外の場所では決して立ち止まらずにどんなに急坂も走る事。これが今回の目標。
スタート前、昨年の大会中にお話しをした2017年IAU24時間走世界選手権 個人4位の高橋さんや、大会では常に上位の石島君など一年ぶりに顔を合わせる人達と会話をする。幸せのひと時。
一年ぶりの長い距離の大会。楽しみで胸が高鳴る。
スタート
あっという間にスタートの時間。はやる気持ちを抑えながら速度を抑えながら進む。ウルトラマラソンとは違い、大会のための道路の交通規制はしていないため一般の歩行者同様に信号待ちの時間も考えて走らなければならない。
この3週間はほとんど走れていなかったが思いのほか気持ちよく走れていた。走り易い天候と気温に恵まれ、知らない土地を走る爽快感と喜びが何よりも上回っていた。
猪苗代湖と夕焼けの風景が美しく疲れも忘れる。
61.8km地点(CP3JR会津若松駅)では上位から3番目の走者とすれ違った。時間の差で5分位だろうか。
この先は一番の難関、背炙り山に向かう10.3km、上りの標高567mの峠が待ち構えている。峠の手前にある最後のコンビニに予定通りに寄り、クレープとおにぎりと水を購入し心と身体を落ち着かせる。
「この峠、背炙り山に勝つためにここに来た。他の誰でもない自分自身との戦い。」
覚悟を決めて走り始める。
ほどなく1㎞走ったところで様子がおかしいことに気付く。峠どころか歓楽街に入って行く。
「一番やってはいけないことをやってしまった。」
自分自身どこにいるかもわからなくなり、歓楽街にいる人達に何度も背炙り山に行く方角を訪ねるが、知らない人ばかり。時間ロスを補うため人に尋ねてはダッシュをし右往左往する。
気持ちを落ち着かせ、スマホで道を探しどうにか現道に復帰する。余計に3㎞走り20分以上のロス。
「この時間があったら1km当たり20秒以上もゆとりを持って走ってこれたな..」と苦笑い。遠方で見知らぬ土地で開催する大会に参加することが多いため事前に試走できず大抵がぶっつけ本番で今まで何度も大会でロストしてきた。この程度のことは免疫が付いている。
すぐさまこの先の背炙り山との戦いに心を移す。どうしても背炙り山への峠を走り抜きたい。
街灯の明かりが無い一車線の狭い真っ暗闇な道をヘッドライトの明かりを頼りに進む。時折、目の前を凄い速度で横断する動物がいる。静寂な暗闇の中、突然道路脇からガサッと音がするのには驚く。
うねる道路は勾配の強さを物語っている。呼吸と歩調を整えながら上り終わりにあるチェックポイント(CP4)76.2kmのオアシスを目指す。
上り途中で後ろからテンポ良い足音が近づいてくる。互いに短い言葉を交わし去って行く石島君の力強い後ろ姿を見ながら勇気をもらう。以前なら間違いなく背中を追っていたが、マイペースを貫く。
チェックポイントに辿り着き、ジュースと食料を頂き5分後にリスタート。全てのチェックポイントで適度に休んでいたせいかまぁまぁ調子はいい。事前に立てた計画より1時間以上早い。残りは主に下り基調のためこのまま行けば予定より2時間早い13時間切りも可能だ。目標を切り替え50km先のゴールを目指す。
途中、石島君と再び出会いゴール1km手前では高橋さんが後ろから現れ会話をしながら午前2時58分共にゴールした。
生涯忘れることの無い素敵なゴールとなった。
【記録(127km部門)】
12時間58分39秒
総合 4位/126人
男子 4位/103人
《本大会エントリー者数》
前半123K部門 169人(男138人 / 女31人)
後半127K部門 134人(男109人 / 女25人)
《出走者数》
前半123K部門 160人(男130人 / 女30人)
後半127K部門 126人(男 95人 / 女22人)
《完走者数》
前半123K部門 148人(男122人 / 女26人)
後半127K部門 117人(男 95人 / 女22人)
《完走率》
前半123K部門 92.5%
後半127K部門 92.8%
【大会記録一覧】
「スポーツエイドジャパン」で検索頂くとのスポーツエイドジャパンのHPより「第3回うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン」をダウンロードできます。
最後に
コロナ禍の中、大会運営に携わった方々、応援頂いた多くの方々、いつもお力添えを頂く皆さま本当にありがとうございました。心から感謝致します。
今年は今まで以上に、客観的に自分を見つめながら初めての土地の旅を楽しむことができました。また、去年以上に携わって頂いている方々への感謝を胸に持ちながら走り切ることが出来ました。
機会があるなら来年はもっと強くなり、フル(260km)を走破したいと思っています。
これから更に輝かしい未来を自ら切り開いていきます。