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真空吸着吊り上げ機「リフター」の操作手順と構造/特徴について

2022年7月25日
真空吸着吊り上げ機のリフターには「Mini」「Micro」「MK2」「Moose」の4機種をご用意しております。機種によって最大吸い上げ能力と充電方法(直接充電、交換カートリッジ)の違いがありますが、構造や特徴、また操作手順については全機種同様です。




◎操作手順と構造/特徴


① 使用開始時に主電源を入れます

リフターに内蔵された真空(バキューム)ポンプが始動し機体リザーバー(※真空パットを除く)を真空状態にします。規定数値に達すると圧力センサーにより真空(バキューム)ポンプが自動停止しスタンバイ状態となります。

圧力が基準値以下になると自動で再始動した後に停止します。これにより、吸い上げ作業の時間短縮が図られます。真空(バキューム)ポンプの稼働は圧力センサーで管理されているため使用する電力も最小限です。


② 機体に予め装着した真空パット(吸い上げる物のサイズや重量に合わせたサイズ)を吸い上げる物の上に載せます

真空パットのサイズは小さいほど空隙が小さいため真空にする時間が短く作業が早くなります。吸い上げる物のサイズ・たわみの有無・重量を勘案し真空パットのサイズを慎重に選択する必要があります。


③ 手動スライドバルブを引き下げます

この時、真空パットの物体に触れる面のシールが全周囲で接触していなければなりません。

手動スライドバルブを引き下げた際に圧力センサーがリザーバー内部から真空パットの周囲内部を認識し真空(バキューム)ポンプを始動します。規定数値に達すると圧力センサーにより真空(バキューム)ポンプが自動停止しスタンバイ状態となります。

圧力が基準値以下になると自動で再始動した後に停止します。


④ 安全規定値に達していない場合には回転灯とブザー音で警告します

計測メーターが示す緑の安全規定値(安全ゾーン)に達すると回転灯とブザー音で警告し停止します。この安全規定値(安全ゾーン)は真空(バキューム)ポンプが最低1272.72㎏(真空度60%安全係数2)となる設定であり、ASME規格に基づく真空業界の基準値です。

※ASMEとは・・・真空リフティングを含むすべてのリフティングデバイスの安全性・メンテナンス・認証に関する主要なガイダンスに責任を負う専門機関


⑤ バッテリー稼働時間(5ahタイプの場合)は平均的に4時間以上の連続作業が可能です

但し、吸い上げる物や頻度により使用電力は変りますのでご了承下さい。



【吸い上げ対象物】

天然石平板、コンクリート版、コンクリートブロック、舗装版、スラブ(鉄板)、鋼材、木材などが挙げられますが、多孔質の物は真空状態にするには適しません。

例えば、
  • 木材合板の場合、材質によりますが12mm厚さのものは真空状態にすることが難しいです。20mm厚以上であればコンクリート版などと比べて時間はかかりますが吸い上げは可能となります。(※製造の工法や材質によるので使用する前にテストが必要です。)



また、吸い上げ対象物表面の凹凸許容範囲は10〜12mm程度です。表面の凹凸が許容範囲であっても急な段差がある物は、真空パットのシールで密閉(フィット)できなくなりますので不可となります。

下画像のような凹凸は、問題無く真空状態にでき密着します。


*真空パットのシール耐用年数は・・・直接の紫外線などを受けないよう保管した場合には、平均的に2年程度使用が可能です。真空パットのシールは別売で販売しており、簡単に取り換えが可能です。



【作動動画】

MK2+真空パットサイズ90×30cm(吸い上げ最大634kg)でコンクリート版を吸い上げる際の操作手順と速度をご確認下さい。