アタッチメントは無条件でバックホウへ装着できるのか?基礎知識
バックホウは、今や穴を掘るだけの機械ではなくなっています。
先端のバケットを交換し、「物を掴む」「岩を砕く」「土砂を振るい分ける」「草を刈る」等、様々な場面で活躍しています。
建設業界の就労に於いては、若い人の世代割合が減少傾向にある悪条件も逆に追い風となり、現場での機械化・省人力化が進んでいます。その一端を担っているのがバックホウ用アタッチメントです。
では、『このアタッチメントは無条件でバックホウへ装着できるのか?』と言うと、そうではありません。数あるバックホウメーカー及び型式と、アタッチメントを繋ぐホースの口径や規格などをすり合わせる必要があります。
今回は、アタッチメントを販売している当社が常にお客様と行っているやり取りから、バックホウ用アタッチメントの基礎的な知識をご説明いたします。
1.アタッチメントの【油圧式】と【機械式】
- アタッチメント自体に油圧で作動する油圧モーターやシリンダーが搭載されており、バックホウから作動油を送ることで動作させるのが、【油圧式】です。
- 対して、作動油を使用しない又はバックホウのバケットシリンダーの伸縮を利用して動作させるのが、【機械式】です。
例として、バックホウ用フォークアタッチメントを挙げます。似たようなフォークアタッチメントですが、油圧式と機械式があります。
油圧式と機械式では、取付方法やグリップ力などの違いが数多くあります。その違いについて当社では、お客様のご質問に応答する形で対応しています。
油圧式については、 “油圧配管” が必要となりますので、以下「2.油圧配管」でご説明します。
機械式については、バックホウのシリンダー等を利用するので、どのようなバックホウにも取付することができます。
2.油圧配管
「油圧式」は、フォークアタッチメントに限らず、バックホウ側に “油圧配管” が必要となります。
この油圧配管は、バックホウアームの両側に設置されている配管です。アタッチメントへ送る作動油は、この配管を通じて送られます。
※アタッチメントの種類や動作によっては、2系統必要な場合もあります。
また、見た目での判断が難しいのですが、配管には「一方通行(ブレーカー配管)」と「往復配管(供用配管)」があります。
3.油圧と油量
油圧・油量とは、バックホウからアタッチメントへ送る作動油の圧力と量です。
作動油が送られるアタッチメントでは最大圧力・流量が決まっているので、バックホウ側で油圧・油量の調整を行い、適正値にて送る必要があります。
- 油圧の単位:「MPa(メガパスカル)」又は「kgf/cm3」(※海外では「bar」と表示)
- 流量の単位:「L/min」(毎分〇〇リットル)
油圧・油量を調整せずにアタッチメントへ過度もしくは過少な送り込みは、アタッチメントの能力がでない又は破損につながる可能性があるので、注意が必要です。
※油圧・油量の調整は、バックホウメーカーに依頼することをおすすめします。
一般的に、油圧の高低はアタッチメントの力強さに、油量の高低は速さに比例していきます。
4.アタッチメント側の装置
バックホウから送られた作動油を受け取るアタッチメント側の装置は、主に「シリンダー」と「油圧モーター」に大別されます。
今回ご紹介しました内容を理解すると、今後の購入選定やトラブル解消時に役立つと思います。