建設機械用「鉄材質部品」についての基礎知識
先日お客様とのお話しの中で購入を考えている部品の材質についての質問をお受けしました。
当社で販売している建設機械用部品では様々な鉄材質が使用されています。
今回はほんのわずかな部分とはなりますが、ご紹介いたします。
【鍛造と鋳造】
鍛造と鋳造は主に製品の成形方法です。
・鍛造は金属をたたいて成形する方法
・鋳造は金型に溶かした金属を流しこみ製品を成形する方法
この2つの加工方法の違いとして、鍛造は加工中に入ってしまう気泡を潰す事ができ、より機密性の高い製品ができる事が大きな違いとなります。
【メタルフロー】
メタルフローは鉄そのものの中にある繊維のような物です。切り出し加工はメタルフローの破損、鋳造ではメタルフローが生成されません。
メタルフローが保持されている製品は反復曲げ応力にも強くなります。
【鋼材】
SS材 : 一般構造用圧延鋼材
主に成形のみを目的とした材料。使用頻度が高く、価格も安価。
SC材 : 機械構造用炭素鋼鋼材
成形加工後の熱処理により硬度を上げることを目的とした部品に使用される鋼材。S35C、S45C、S50Cなどがよく使用されます。
SK材 : 炭素工具鋼鋼材
耐摩耗性に優れていて刃物などに多く使用される鋼材。
SKS材 : 合金工具鋼鋼材
SK材に耐衝撃性、不変形性、耐熱性を加えた鋼材。耐衝撃性を重視した刃物の材料としてよく使用される。
SCM材 : クローム・モリブデン鋼鋼材
「クロモリ」と称される材料。焼き入れ性、加工性に優れ汎用度の高い材料。じん性も高く振動を吸収しやすいという特徴がある。SCM435などがよく使用されます。
CRV材 : クローム・バナジウム鋼鋼材
作業工具によく使用される材料。
当社では一部材質の切り売りも行っております。
部品や鋼材に関するご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。