スピードライン・チャンプR 再塗装歴有りホイールのパウダーコートシルバー再塗装
過去に再塗装歴が有るホイールで、素人さんが見る分には普通に綺麗に見えますが、一応私も専門業ですので、見た瞬間再塗装である事がわかりました。
当初の目的は、小傷の修理だけでしたので、部分補修程度の予定でしたが、塗装を剥離せずそのまま重ね塗りされていて、側面や裏側は塗装ミストが付いてザラザラでした。このままさらに重ね塗りをするにはその後が不安ですので、この際折角の機会なので、塗装剥離からのパウダーコートでのシルバー再塗装になりました。
ロゴステッカーもいびつな感じの再生でした。
いざタイヤを外すと案の定外周の塗装がパラパラと剥がれてきました。しかも剥がれた個所にはパテが入っています。黄色に見えるのはパテです。
どの道完全剥離しますので、諸々は関係無くなります。
塗装を剥離し、サンドブラスト研磨、ハンド研磨、さらにバレル粗研磨にかけて塗装の下地を作ります。
スピードラインと言えども、海外製の鋳造ですので、特に裏側は鋳造巣穴があちこちにあります
表のデザイン面はほぼありませんが、1か所だけ、4本とも同じ個所にありました
4本とも同じ個所とは単なる偶然ではないでしょうね
パウダー用耐熱パテで埋める事も出来ましたが、なるべくパテなんぞは使いたくないのでパウダーの厚い塗膜で埋まる事を願ってこのままいきました。
鋳造や腐食がある物をそのままいきなり本番塗装&200℃で焼き付けると、鋳造巣穴や腐食箇所から沸きが発生し、塗膜に気泡や染みを作りますので、本番前に200℃×数十分で下焼きを行います。この下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。下焼きを行っても沸きが出る物も中にはありますが、下焼きを行わないよりも沸きの発生率はグッと下がります。
1コート目に元々のシルバー近似のホイールシルバーをパウダーコートします。
焼き付けてホイールシルバーで一旦完成させます。
2コート目にクリアーをパウダーコートします。
もう一度焼き付けてパウダーコート2コートホイールシルバーで完成です。
1か所鋳造巣穴個所は深かったようで、跡は残りました
これを無くするには、パテで埋めてウレタン塗装をすると隠れますがこの程度で折角のパウダーコート膜の上にあえて弱いウレタン塗装をする事も無いだろうという事でこのままで了承して頂きました。
ロゴステッカーはスピードラインはデータがありますので、正規のロゴをカッティングで製作です。
ロゴステッカーの剥がれ防止の目的で、ウレタンクリアーで閉じる事も出来ます。
ただ、これも同じでパウダーコート仕上げに対して、その上にウレタン塗装をするメリットorデメリットを差し引きして考えると、今回は必要無しとなりました。
例えば、OZラリーのホイールように、デザイン面にステッカーの占める面積が大きい場合ですと、剥がれると面倒なので、仕方が無くウレタンクリアーで閉じる事もありますが、今回の場合は、1か所に小さいロゴだけですので、もし剥がれたらまた貼れば良いだけの話です。
そう簡単に剥がれる物でもありませんが、一応多目にステッカーを作ったのでそれもスペアとして差し上げました。