ワーク LS105 18インチ リム交換(リバレル)で太さアップ
現状は9.0j、10.0jで、これをアウターリム交換で、11.0j、12.0へ太さをアップご希望で、大阪府からご依頼いただきました。
現状の9.0jは、アウターリム3.0インチ+インナーリム6.0での9.0j、10.0jはアウターリム5.0インチ+インナーリム5.0インチでの10.0jです。
リム交換により、9.0jのアウターリムを3.0インチ→5.0インチの2.0jアップの11.0jへ、10.0jのアウターリムを5.0インチ→7.0インチの2.0jアップの12.0にします。
10.0jのアウターリムが現状で5.0インチですので、これを9.0jのアウターリム用に再利用しても良いのですが、現状がクロームメッキで、電解剥離だけで結構高くつきますし、現状が腐食・浮きが酷いので、綺麗なポリッシュになりそうにもなく、であれば交換した方が費用的にも仕上がり的にも良いという事になり、全て交換する運びとなりました。
リムは発注から入荷までに、早くても1ヵ月程、遅い時ですと2ヵ月、それ以上かかる時もありますので、先にリムを発注し、入荷までに他の出来る事を進めておきます。
インナーは2本だけウレタン塗装でのブルーメタリックに塗装されており、パウダーコートで4本再塗装にします。パウダーコートでのブルーメタリックはイリュージョンライトブルーを使います。
イリュージョンカラーは、塗装方法はキャンディーとは違いますが、仕上がりはキャンディールックになる、特殊なカラーで、面倒な下地加工の必要無くキャンディールックになる便利なカラーです。
回転研磨で塗装の下地を整え、1コート目にイリュージョンライトブルーの元ネタをパウダーコートします。
焼付けて一旦硬化させます。
この段階の色はまだ本来の色ではありません。
2コート目に、イリュージョンカラー専用クリアーをパウダーコートします。
もう一度焼き付ける段階で、専用クリアーと1コート目のベースが反応し、本来のイリュージョンライトブルーに変色します。
もう一度焼き付けてイリュージョンライトブルーで完成です。
アウターリムが入荷しました。
画像奥が7.0インチ、手前が5.0インチです。
リバレルリムはバフ磨きの状態で入荷しますので、このままでもOKですが、バフ目やムラは多少ありますので、自社にてバレル仕上げ研磨にかけ、バフ目やムラの無い鏡面にします。
クリアーの有無はお好みで選択出来ます。今回はクリアー有りです。
◆◆◆ポリッシュに対してのクリアー有り無し比較◆◆◆
【クリアー有りのメリット】
・クリアーが保護膜になるので酸化白ボケはしません。
【クリアー有りのデメリット】
・クリアーと言えども塗膜分僅かな濁りは出ます。
・塗膜と素地の間に水分が混入し、いずれは白錆びが出てきます。
特にピアスボルトでリムを直に締め付けるタイプは、ピアスボルト周辺の白錆びが出やすい。
白錆びは、リム/ディスク分解し、クリアー剥離からポリッシュ再磨きしなければ落ちません。
【クリアー無しのメリット】
・素地鏡面の光沢その物を表現出来ます。
【クリアー無しのデメリット】
・保護膜が無いので、徐々に酸化白ボケしてきます。
酸化白ボケは市販の艶出剤を使い手磨きで復活しますので、定期的なメンテナンスが必要。
このようにポリッシュに対してのクリアー有り無しはどちらも一長一短あります。
常用するお車でしたらクリアー有り、イベント用車両や、限られた時にしか乗らないから輝き重視と言う事でしたらクリアー無しで鏡面の美しさを表現する、と言う事になろうかと思います。
輝き重視かメンテナンス性重視か、と言う事ですね。
ポリッシュに対してのクリアー有り無しの比較は「ホイール鏡面ポリッシュのクリア塗装有り無しの比較/手入れ」でも詳しく解説していますのでご覧ください。
組付けて完成になります。
リア用10.0jの方のアウターは5.0インチあったので、元々も結構深リムでしたが、リム交換により特にリア用12.0jはアウター7.0インチで、かなりの迫力です。
これだけ深リムですと、クリアー無しの超鏡面の方がより美しく光りますので、今回クリアー有りにしたのがちょっと惜しい気もしますが、同じホイールを隣り合わせで比べて見ない限りは、クリアー有無の光沢差もあまり分からない程度と思います。