メルセデスベンツGクラス用22インチ社外ホイールを半艶ブラックで再塗装
新品ですが、塗装が今一心もとないと言う事で、パウダーコートでの半艶ブラック再塗装ご希望で、愛知県よりご依頼いただきました。
まずは元の塗装を剥離します。
新品でも中古でもやる事は同じで、元の塗装剥離は必須作業です。
剥離槽へ漬け込み剥離し、ブラスト研磨で隅々まで綺麗に除去します。
鋳造の22インチなので、何をするにも重たくて大変です。
海外製品の鋳造に良く見られますが、剥離をして素地を出すと、あちこちに鋳造巣穴があります。
個所によってはパテが入っている個所もあります。
新品でパテ埋めされているのですよ。
パテは後々悪さをしますので、もちろん全て除去し、鋳造巣穴は処理のしようがありませんので、このままです。
表面は大きな鋳造巣穴はありませんでしたので、まぁ良しとします。
続いてパウダーコート塗装を行います。
この材質の物をこのままいきなりパウダーコート&200℃焼付けをすると、鋳造巣穴から沸きが出ますので、出来るだけ沸きが出ないように事前に下焼きを行います。
下焼きは、200℃以上で数十分空焼きする事により、この段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。
材質によっては、完全解消出来ない物もありますが、下焼きをするかしないかで、沸きの出方は大きく変わります。
沸きに関してはパウダーコート塗装の沸きとは?で詳しく解説しおりますので参照下さい。
下焼き後にハーフグロスブラックをパウダーコートします。
焼付けオーブンの大きさ的には十分4本並びますが、鋳造の22インチで質量が大きいので、熱の入りの効率を考慮し、スペースが勿体ないですが、2本づつ焼きます。
焼付けて完成となります。
爪楊枝の先程度の跡なので、目立ちはしませんが、極小さな跡は出ました。
上記のような材質だったので、もっと目立つような何か跡が出るかな?とも思っておりましたが、この程度で済んだ事が奇跡的かもしれません。
作業をした物は、粗探しのような目で見られる事もあり、無条件に完璧を求められますが、塗装やリメイクにおいては、施工側の技術以外にも、材質や状態等にも影響を受ける事は多々ありますので、どんな物でも全て完璧に、綺麗に、とはいかない事もあります。