RAYS TE37 17インチをズバリ再現フォーミュラーシルバー塗装
現状ホワイトで、フォーミュラーシルバーへ色変えご希望で、大阪府からご依頼いただきました。
入庫時画像ありませんが、結構使い古されているようで、塗装劣化や腐食がそこそこありました。
レイズのフォーミュラーシルバーはハイパー塗装のハイパーブラックの部類になり、BBSで言うDBと使用するハイパーの銀幕種類は違いますが、施工方法は同じです。
特にハイパーブラックにおいては、似たような雰囲気でOKと言う場合は、丈夫なパウダーコートでも表現出来ますが、ハイパーブラックその物ズバリで再現されたい場合は、メーカー製造時と同じく溶剤ウレタン塗装になります。
溶剤ウレタン塗装のハイパー塗装は、密着性が弱いという特性があるので、ハイパーカラーズバリで再現されたい場合は、密着性を犠牲にしても溶剤ウレタン塗装で行うしかありません。
今回は、フォーミュラーシルバーズバリその物をご希望でしたので、溶剤ウレタン塗装にて行います。
まずは元の塗装を剥離し、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
溶剤ウレタン塗装で行うからと言って、素地に対して直にウレタン塗装は行いません。
ベースのブラックはパウダーコートで塗装しますので、ブラックをパウダーコートします。
焼付けてブラックを硬化させます。
ここからが溶剤ウレタン塗装になります。
面出しを兼ねて足付け研磨をします。
溶剤1コート目、専用プライマーを塗装します。
焼付けてプライマーを硬化後に、溶剤2コート目、ハイパーの元ネタの銀幕を塗装します。
ここは、塗装と言うより、薄く薄く何回に分けて重ねていく感じです。
ここでも焼付けし、硬化後に最後の溶剤3コート目、クリアーを塗装し、もう一度焼き付けて溶剤ウレタン塗装でのハイパーブラック(フォーミュラーシルバー)完成です。
パウダーコートの場合は、インナーも側面も全て同色となりますが、溶剤塗装の場合は、表面だけ完全なフォーミュラーシルバーで、インナーと側面は、メーカー純正と同じように、表面塗装時のおつりの銀幕が僅かに付く程度で、ほぼベースの黒となります。
ハイパー元ネタの銀幕は、より輝度感が強く出るタイプと、そこまで強く出ないタイプと主に2種類を使い分けます。
今回のレイズのフォーミュラーシルバーは、より輝度感が強く出るタイプ、BBSのDB/DSは、輝度感がここまで強く出ないタイプを使います。
溶剤でのハイパー塗装は、前途の通り密着性に乏しい塗装なので、密着性を犠牲にしてもビジュアル重視、と言うイメージになります。
塗装の工程も、ベースのパウダーコートを入れると4コート、焼付けも4回になり、工程が多く手間も多い塗装になります。
また、溶剤塗装工程に入ってからは、ブツ処理もほぼ出来ないので、ゴミ噛みが一切無く、と言う事も中々難しい塗装です。