小傷/色剥げがある日産フェアレディZ33純正ホイールをパウダーコート版ハイパーシルバー再塗装修理
特に酷いガリ傷や曲がりの修理と言う事ではなく、表面全体的に飛び石等による小傷、色剥げがあるため、同色再塗装ご希望で、北海道からご依頼いただきました。
傷が極一部だけでしたら、現塗膜は剥離せずに部分補修上塗りでも可能ですが、あちこちに満遍なく小傷、色剥げがあるため、現塗装は剥離してからの再塗装にしました。
ハイパーシルバー/ハイパーブラックのハイパー塗装は、その物ズバリで表現するにはウレタン塗装になりますが、ウレタン塗装でのハイパーシルバーは密着が弱いのが特徴です。
今回折角の4本同時リフレッシュですので、丈夫なパウダーコートでのハイパーシルバー塗装にすることにしました。
パウダーコートでのハイパーシルバーは、ウレタン塗装でのハイパーシルバーとは塗肌や光沢感はちょっと違いますが、ハイパーシルバーとして違和感はほぼなく、ましてや4本同時ですので、そうであれば密着性、耐久性が強いパウダーコートの方が良いです。
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◎塗装剥離から下地研磨です
剥離槽へ漬け込み塗装を剥離、サンドブラスト研磨で隅々まで除去、さらにバレル粗研磨にかけて塗装の下地を作ります。
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◎パウダーコート版ハイパーシルバー塗装
ウレタン塗装のでハイパーシルバーの場合は、ベースにグレーを塗装し、グレーを透かせて銀幕を乗せていきますが、パウダーコートの場合はハイパーシルバーその物のカラーがありますので、1コート目にハイパーシルバーライトをパウダーコートします。
パウダーコート版ハイパーシルバーは、明るいハイパーシルバーライト、ちょっと暗めのハイパーシルバーダークの2タイプがあり、今回は純正元々の明るさに近いハイパーシルバーライトにします。
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一旦焼き付け、ハイパーシルバーライトを硬化させます。
このままでは対候性が弱いので、クリアーをオーバーコートします。
この段階では、本来のハイパーシルバーよりも高輝度が高過ぎますが、クリアーをオーバーコートすることで調度良い高輝度になります。
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◎再度焼き付けて完成です
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今まではハイパーシルバーだけはどうしてもウレタン塗装で対応するしかありませんでしたが、このようにハイパーシルバーもパウダーコートで対応可能になりました。色味も元々と比べても違和感はそれほど無いかと思います。塗肌のレベリング(ユズ肌感)は塗膜の厚いパウダーコートの方が強めに出ますが、これも気にされるほどでは無いかと思います。
これで今までのウレタン塗装でのハイパー塗装の懸念材料は全て払拭されます。
①密着性
何と言ってもハイパーシルバーの問題点は密着性にありました。
高圧洗車機は避けた方がよい、軽い飛び石でも剥がれ易い、などとにかく密着性には難有でした。
パウダーコートフィニッシュにより解消されます。解消と言うかパウダーコート以上の密着性に
優れた塗装はありません。
②側面・裏面の塗装
今までのウレタン塗装でのハイパーシルバーは、ベースにグレーを塗装し、
ベースのグレーを透かせながら銀幕を乗せる、という方法のため、基本的には
表面のみで、側面と裏面はベースのグレー肌のままでしたが、パウダーコートの
場合は丸塗りになりますので、側面、裏面も表面同様になります。