ロータス・エラン用マグネシウムホイール リフレッシュで色変えカスタム塗装
ロータス・エラン、ご存じですか?
私は名前だけは聞いた事がある程度でほとんど知りませんでした。
1962〜1975製造だそうなので、古い物だと55年前、新しい物でも42年前ですね。いずれにしても半世紀程前の物になりますね。
マグネシウムはただでさえ、耐食性、耐久性に乏しい金属ですので、半世紀も経つと腐食というよりも、朽ちているという表現の方が当てはまるかと・・・。
逆に半世紀前のマグネシウムがこの程度の腐食状態で保持されている事を褒めなければなりませんね。
今回はリフレッシュでマットブラックブロンへ色変えカスタム塗装ご希望で千葉県よりご依頼いただきました。
塗装の剥離から下地研磨処理
マグネシウムの剥離はアルミのように剥離剤では剥離できませんので専門の工場へ外注して剥離をしてもらいます。
外注剥離から戻り、塗装前の下地を研磨します。研磨し過ぎると肉薄になってしまいますので、ある程度で研磨は止めますが、やはり深い浸食跡は残ります。
金太郎飴と同じように、深い浸食跡はいくら削り込んでも同じです。
パウダーコート塗装
このままいきなり塗装&焼き付けをすると、沸きが出るのが目に見えていますので、出来るだけ沸きを抑えるために、化成処理後に下焼きを行います。
鋳造や腐食がある物、特にマグネシウムは、そのままいきなり本番塗装&200℃で焼き付けると、鋳造巣穴や腐食箇所から沸きが発生し、塗膜に気泡や染みを作りますので、本番前に200℃×数十分で下焼きを行います。この下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。下焼きを行っても沸きが出る物も中にはありますが、下焼きを行わないよりも沸きの発生率はグッと下がります。
下焼き後に、マグネシウム専用プライマーのドライプロテクターをパウダーコートします。
一旦生焼き状態にしてから、マットブラックブロンズをパウダーコートです。
焼き付けして完成
マットブラックブロンズをパウダーコートした画像ありませんが、マットブラックブロンズをパウダーコート、焼き付けて完成です。
一見はほとんどマットブラックで、太陽光が当たると僅かにブロンズっぽさが出るカラーです。
元々の腐食の状態の割には、目立つ沸きも無く出来ました。
施工前の状態を考えると上出来かと思います。