レンジローバースポーツ純正ホイール 色変えパウダーコート塗装
トリプル5本スポークで、トリプルの両端がダイヤモンドカット、
真ん中がガンメタになっている、ガンメタ/ポリッシュのタイプです。
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当初はダイヤモンドカット面のガリ傷修理、再ダイヤモンドカット加工修理での入庫でしたが、
よくよく見るとダイヤモンドカットカット面がガリ傷のある1本だけが他3本と違いました。
元々なのか?再切削歴があるのか?ダイヤモンドカット面の幅も高さも違いました。
真ん中のガンメタスポークは両端スポークよりも低いので、天面を再切削をしても
そのまま残るのですが、この1本はすでにほぼ高低差が無くなる位になっていました。
この状態で天面を再切削すると、本来低いはずの真ん中のスポーク天面にもバイトが届いて、
切削されてしまう恐れがありました。
この状態をお客様へ伝え、結局あきらめて4本グロスブラックへ丸塗りに変更になりました。
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塗装の剥離と下地の研磨をします
元々の塗装を剥離、サンドブラスト研磨からバレル粗研磨で塗装の下地を作ります。
鋳造20インチなので酷く重たいです・・・。
また、純正と言っても海外製鋳造ですので、材質が悪くあちこちに鋳造巣穴があります。
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ハイグロスブラックをパウダーコートします
材質の悪い鋳造をいきなり本番塗装をすると、間違いなく沸きが出ますので
前もって入念に下焼きを行ってから本番にします
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焼き付けて完成です
鋳造1Pで質量がかなりですので、いつもより温度を高めに、時間も長めに焼き付けをします。
ハイグロスブラック+クリアーコートの2コートフィニッシュにする場合もありますが、
今回はハイグロスブラック1コートフィニッシュです。
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今回のレンジローバーに限らず、純正ホイールの大口径化ばかりが進み、
材質の良し悪しが伴っていません。
鋳造で材質も悪いので、200℃オーバー焼き付けのパウダーコートはシビアに反応します。
クレーター跡が出来たり、最悪沸きが出たりする物も少なくありません。
また、パウダーコートは天井から吊るして塗装をしますので、重たいホイールは大変です。
車は高級車なのに、ホイールにまではコスト的に拘らないのか?・・・。
先日レクサスLXの純正21インチも同じくハイグロスブラックでパウダーコートしましたが、
海外製の鋳造であちこちが巣穴だらけ、しかも重量もハンパなく重たかったです。
メイドインジャパンプライドは何処へやら?
その点GT-RはRAYS製鍛造を採用している所が流石ですね。