ビレット系ポリッシュホイール バレル研磨ポリッシュでオーバーホール修理
京都府からのご依頼になります。
元々がフルポリッシュで、後塗りで部分的にブルーに塗り分けされております。経年で艶引けや小傷が目立ってきたので、現状の塗り分け維持でのリフレッシュでのご依頼です。
塗装を剥離し一旦丸ごと綺麗なポリッシュに戻します
元々のブルー塗装、クリアー塗装を剥離し、バレル研磨にて丸ごとポリッシュに戻します。
塗装を剥離、ブラスト研磨、アクションツール研磨、バレル粗研磨からバレル仕上げ研磨にかけて、綺麗なポリッシュにします。
スポーク間にブルーを入れてからパウダーコートクリアー塗装です
スポーク間にブルーを入れますが、これが一番難しくて悩みました。余計な部分をマスキングで隠し、ウレタン塗装でブルーを入れるのが一番簡単で境目のラインもくっきり出せますが、パウダーコートクリアーで閉じる事を考えると、焼き温度200℃にはウレタン塗装は耐えられませんのでウレタン塗装は使えません。
本来はブルーもパウダーコートで入れるのが基本ですが、パウダーコートは細かいマスキングには不向きなので、境目のラインが綺麗に出ません。元々塗り分けされた時もパウダーコートで行ったようで、境目のラインが不均一でガタガタしていました。
焼き温度200℃でも耐えられる塗装、マスキングでの境目のラインを綺麗に出せる事、これを満たす塗装を考えると当社扱いのガンコートになります。
カッティングプロッターでマスキングの型を作ります
ここでも悩みました。元々はスポーク天面のエッヂが角がある形状なので、マスキングを貼って角に沿ってカッターの刃を入れると綺麗にカット出来ますが、以前に一度ポリッシュ研磨されているようで、スポーク天面のエッヂラインがすでにやや丸みを帯びていたためそれが出来ませんでした。
そこで、天面形状の型取りをし、カッティングプロッターに読み込ませてマスキングシートを作りました。
1ヵ所1ヵ所手切りすると全て同じ形には出来ませんが、こうすると全て同じ形に出来ますし、丸みを帯びたエッヂでも関係無く位置取りする事が出来ます。
ガンコートでブルーを入れてからパウダーコートクリアーで閉じます
ガンコートのブルーで塗装、180℃程で約70分程焼き付けます。ガンコートは焼き温度はパウダーコートと同程度ですが、焼き時間がパウダーコートよりかなり長いです。
最後にパウダーコートクリアー丸塗りです。
焼き付けて完成です
課題だったスポーク天面のエッヂラインも綺麗に出ています。
ガンコートのブルーの色合いもお客様に現物で確認して頂くために、サンプルに塗装をして送って見ていただきを2度繰り返しました。もちろんサンプル製作代、送料はいただいておりません。
出来てしまえば普通にポリッシュとブルーの塗り分けで特に難しさは感じませんが、実際はこのような試行錯誤しながらの工程になっています。