トヨタセリカXX純正ホイールをレストアダイヤモンドカット修理
1984年トヨタセリカXX純正14インチホイールです。ホイールの製造刻印は1981年になっていますので、製造から37年程経過していますので、腐食や劣化はあって当然で、それでもこれだけ経過している事を考えるとむしろ良い状態と言えます。今回は製造時と同じくダイヤモンドカットにてフルオーバーホールレストア修理でのご依頼です。トヨタマークも懐かしのマークです。
◉塗装を剥離し塗装の下地処理をします。
元々の劣化した塗膜を剥離します。いつもは剥離液槽へ漬け込み大まかに剥離してからサンドブラストにて隅々まで除去しますが、この状態ですといきなりサンドブラストでも塗膜は剥がれます。サンドブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけて塗装の下地を作ります。
◉ウインドウのガンメタ塗装をします。
ウインドウ(スポーク間)はガンメタ塗装ですので、先に塗装を済ませます。
もちろんパウダーコート塗装にしますが、パウダーコートは調色が出来ませんので、既存であるガンメタの中から近そうな色を選定します。
◉側面&インナーを切削肌にします。
側面とインナー側は削り出しの切削肌でしたので、同じように回転研磨にて切削肌にします。
インナーは車に装着後は、洗えませんので丈夫なパウダーコートクリアーで保護します。
◉最後にダイヤモンドカット加工で完成になります。
一番最後に表面天面をダイヤモンドカット加工をします。本来ならここのパウダーコートクリアーを使いたいところですが、ダイヤモンドカット面に対してはパウダーコートクリアーが不可で従来通りに溶剤ウレタン塗装クリアーになります。
センターキャップは純正オリジナルのままです。パウダーコートで調色出来ないウインドウのガンメタの色合いもで、まるで調色をして合わせたかのようにピッタリの選定でした。
このレベルの古い鋳造ホイールをダイヤモンドカットすると、内部の巣穴が表面に出てきて、クリアー塗装をすると弾きが出ます。今回も相応に弾きは出来ましたが、研いでクリアー塗装を何度か繰り返す事で弾きは無くなりました。
詳しくは古い鋳造ホイールのダイヤモンドカット加工時に出る巣穴についてを参照下さい。
今回はオリジナル同様にダイヤモンドカット仕上げにしましたが、ブラッシュド細目仕上げも可能です。
▼今回と同じホイールのブラッシュド細目仕上げ事例
ダイヤモンドカット仕上げの場合のクリアー塗装は、溶剤ウレタン塗装のクリアーになりますが、ブラッシュド細目仕上げの場合のクリアーは丈夫なパウダーコートクリアーになります。
クリアー塗装の強さはブラッシュド細目仕上げ+パウダーコートクリアーの方が強いので、塗装の強さを重視するか、ダイヤモンドカットの見た目を重視するか、と言う選択になるかと思います。