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ワーク ヴァリアンツァ 溶接2Pのオーバーホール・リメイク修理

2018年9月15日
ワークヴァリアンツァ、溶接2Pです。
腐食が酷くなってきたので、現状復帰で修理ごご希望で、北海道からご依頼いただきました。
溶接2Pは、リムとディスクは分解出来ませんので、現状復帰は今回の場合は出来ません。リムとディスクが分解出来ない溶接2Pは、出来る事が極限られ、リムもディスクも単色同色丸塗りにするのが、費用的にも仕上がり的にも現実的な仕上げになります。
今回もご説明し、納得をされた上で、マットブラック丸塗りにする事になりました。




◉溶接2Pのピアスボルトについて
溶接2Pのピアスボルトはダミーの飾りで、裏側を見るとリムとディスクの溶接跡があるのが分かります。
ダミーピアスはネジ込式のタイプもありますし、ネジ山が無く圧入のタイプもあります。
ネジ込式でしたら普通に緩めて外して再利用できる可能性が高いですが、ネジ山無しの圧入タイプの物は、材質が樹脂の物が多く、壊して外す事が多いので再使用は不可で、代替えを用意しなければなりません。今回はネジ込式でしたので再使用可能です。




◉塗装剥離から下地研磨処理
リムとディスクが分解出来ませんので、1Pホイールと同じように作業を進めます。
剥離液槽へ漬け込み塗装を剥離、残った塗膜をサンドブラストで隅々まで除去、さらにバレル粗研磨にかけて平滑な塗装の下地を作ります。




◉マットブラックパウダーコート
ディスクのセンターキャップのホール付近の腐食が結構酷かったので、本番前に下焼きを行います。
鋳造や腐食がある物をそのままいきなり本番塗装&200℃で焼き付けると、鋳造巣穴や腐食箇所から沸きが発生し、塗膜に気泡や染みを作りますので、本番前に200℃×数十分で下焼きを行います。この下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。下焼きを行っても沸きが出る物も中にはありますが、下焼きを行わないよりも沸きの発生率はグッと下がります。
ワークは鋳造ですし、今回は腐食も酷かったので、この下焼きは必須です。
下焼き後にマットブラックをパウダーコートします。




◉焼き付けて完成です





仕上がりは特に問題はなく、むしろ綺麗に仕上がります。
が、懸念材料はあります。塗装の剥離は剥離液に漬け込みますので、リムとディスクの合わせ部分の隙間内部まで剥離されます。
一方塗装時は、リムとディスクの隙間の内部まで塗膜は付きません。また、雨の後や洗車の後はこの隙間に水分が残りますので、保護膜の無い隙間内部は腐食が発生しやすく、この隙間付近から腐食が上がってきます。



塗装後にリムをポリッシュにしたいというご要望が多いですが、このタイプはそれも出来ません。
リムのポリッシュはホイールを高速で回転させながら磨いていきます。この時に、今回のホイールのようにディスク天面が高く、ウインドウ面(ピアスボルト面)が低いデザインのホイールの場合は、回転させながら磨く都合上、磨ける範囲はディスク天面のラインまでとなるため、中途半端に塗装が残り、ツートンのようになってしまいます。



ちなみに、溶接タイプの物でも、以下の画像のホイールのように、ディスク天面とウインドウ面に段さが無く均一のタイプの物は、リムをポリッシュにする事が出来ます。




ワークはウケの良いデザイン、比較的買い易い価格設定、何より日本のホイールメーカーでは老舗的存在なので、日本国内においての国産ホイールの中ではおそらく一番需要があるのかもしれません。そのため、修理やカスタムのご依頼も多いですが、ワークのほとんどの製品がこのように溶接2Pなので、修理や後々カスタム等を検討される方においては不向きなホイールです。
ワークでちゃんと分解出来るモデルと言えば、ブロンバッハ、エモーション3P、マイスター3P、LSシリーズ、エクイップシリーズ位で、事実上一番売れているであろうモデルの、ジースト、グノーシス、シュバート、ヴァリアンツァ、デュランダル、イクサ・・・etcは、全て溶接タイプです。