フォージアート(forgiato)マグリア(maglia)20インチホイール カスタム塗装リメイク
溶剤ウレタン塗装のマスキングにて、ブラック/ホワイトに塗り分け塗装されている物でした。
境目を見ると今一さが分かりますが、マスキングでの塗り分けなので、多かれ少なかれこうなるのは仕方が無いと言いますか、気持ちは分かります。
プロの塗装業者の仕事として見るとお粗末、器用な素人様のDIY塗装として見るとお見事、と言う感じです。
今回はリフレッシュリメイクでオールパウダーコートでのカスタム塗装ご希望で、愛媛県よりご依頼いただきました。今回は色々と細部に渡りての込んだ内容になっております。
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◉アウターリムのクロームメッキ電解剥離
アウターリムは元々がクロームメッキでした。
塗装は全て自社にて剥離を行いますが、クロームメッキは塗装を剥離するようには剥離出来ませんので、電解剥離という専用の方法になるため、専門工場へ外注して剥離をしてもらいます。
このクロームの電解剥離だけでそこそこの金額がかかりますので、クロームメッキベースのリメイクはこの分が余計にかかってしまいます。
外注にに出して数週間後にクロームメッキの電解剥離から戻ってきました。
クロームメッキの物は、内部で腐食が進行していて、剥離をすると素地が凸凹ガタガタになっている物が多いですが、今回はほぼ浸食されておらずに、比較的良い状態でした。
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◉アウター/インナーリムのハイグロスブラック塗装
リムはアウターもインナーもハイグロスブラックにしますので、同時進行で進めます。
剥離後に回転研磨で下地を整えます。
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ハイグロスブラックをパウダーコート。
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焼き付けて一旦硬化させます。
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この1コートでハイグロスブラックとして十分光沢もあり、通常はこれで完成でOKです。
今回はこれにさらにクリアーをオーバーコートします。
艶有のブラックは、車のボディの黒の維持でも分かるように、洗車しただけで洗車傷が目立ちます。クリアーのオーバーコートは、さらなる光沢と同時に、対擦性もアップさせて、少しでも良い状態で維持し易くする事が目的です。
クリアーをオーバーコートし、もう一度焼き付けてハイグロスブラック、いやハイハイグロスブラックで完成です。
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◉ディスクのマットブラック塗装
ディスクはマットブラックにします。
塗装前の画像を撮り忘れましたが、元の塗装を剥離、サンドブラストをかけます。一般的には、サンドブラスト段階で塗装の下処理としてはOKですが、当社の場合はここからさらにバレル粗研磨にかけて、完璧な塗装の下地を作ります。
塗装目的でのバレル粗研磨は、仕上がりには影響を与える程の工程ではありませんので、この工程が特別な意味がある訳ではありませんが、やるに越した事は無いという半ば自己満足の領域かもしれません。
下地完了後にグロスブラックをパウダーコートします。
完成予定はマットブラックですが、グロスブラックにした理由はこの後に分かります。
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グロスブラックを焼き付けて一旦硬化させます。
外周にFORGIATOの掘り文字があり、今回はここをオレンジに色付けをします。
当初はマットブラックで完成後に、堀にオレンジ溶剤顔料を流し込む方法を考えておりましたが、作業が進むにつれて、もっと完全な方法を取ろうという思いに変わりました。
その方法とは塗装での色付け後にパウダーコートマットクリアーで閉じる方法です。
塗装での色付けと言っても最後にパウダーコートマットクリアーで閉じますので、溶剤ウレタン塗装を色付けに使うと、溶剤ウレタン塗装はパウダーコートの焼き温度200℃には耐えられませんので、ここではガンコートを使います。ガンコートは、溶剤塗装ですが、耐熱温度数百度なので、パウダーコート焼き温度200℃程度は全く問題ありません。
ロゴ以外をマスキングで隠し、下地にガンコートの白を入れます。
黒に対していきなりオレンジですと、オレンジの発色が良くなりませんので、オレンジの発色を良くするためにベースに白を入れてからオレンジを入れます。
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ガンコートは耐熱性に加え対薬品性も高い機能性塗装なので、焼き付けて完全に硬化させてしまうと、表面の塗膜が除去出来なくなるので、溶剤を飛ばしてやる程度に乾燥させ、表面の余計な部分を拭き取ります。
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塗装でのロゴ色付け完了後に、パウダーコートマットクリアーを丸塗りしてディスクは完成です。
最終的にクリアーで閉じているので、ロゴのオレンジも物理的に剥がれる事はありません。
マットブラック予定なのに、最初にグロスブラックを塗装したのはこの為でした。
マットブラックに対してさらにマットクリアーですと、マットマットブラックになるため、グロスブラック+マットクリアーで本来のマットブラックになります。
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◉ピアスボルト&エアーバルブのマットブラック塗装
ピアスボルト、エアーバルブをサンドブラスト処理をしてから、マットブラックをパウダーコートです。
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◉センターキャップの塗り分け塗装
これが一番苦労しました。
土台はプラ製で、真ん中のFマークのオーナメント薄アルミ板です。
アルミ製のオーナメントは剥離剤で剥離出来ますが、土台はプラ製の為剥離液に漬けるとフニャフニャに侵されてしまいますし、サンドブラストをかけると、ザラザラボソボソに傷んでしまいます。
そのため、筆で剥離液を塗り、素地に達する前にこすりながら少しづつ塗膜を除去していきます。
ロゴの堀文字も樹脂?のような物が入れられていたので、これも除去するのに難儀しました。
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何とか剥離完了です。
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塗装に入ります。
土台はディスクのロゴの色付けと同じ方法を取りますが、これは普通に溶剤ウレタン塗装を使います。
一旦ブラックで完成させ、ロゴ部分をオレンジに塗装、乾燥後に表面を拭き取りし、最後に溶剤マットクリアーで閉じます。
オーナメントはちょっと違う方法を取ります。
ブラックで塗装後に、事前に製作済のFマークを貼り付けてからクリアーで閉じます。
クリアー塗装を研いでもう一度クリアー、を何度か繰り返す事で、アクリルの中にFマークが埋まっているようになります。
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◉組み付けて完成です
長い道のりが済み、組み付けをしてようやく完成です。
スタッドボルト、ナットは新品に交換します。
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オーナメントはアクリルが貼られているかのようになっています。
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ディスクのロゴのリムへの映り込みで、リムの鏡面(ブラック)度合いが分かると思います。
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マットブラック/グロスブラックと言うオーソドックスな組み合わせなので、仕上がりだけを見ると物凄いカスタムをしたと言う印象は受けないと思いますが、やった事の内容はかなり手の込んだ内容なので、作業内容としては誇れる物と思います。