ジャガーXJR純正19インチホイール リフレッシュでパウダーコートハイパーシルバー塗装
特にガリ傷等の修理と言う事ではなく、気分一新リフレッシュと言う事で、パウダーコートによるハイパーシルバーへ色変えご希望で東京都よりご依頼いただきました。
ハイパーシルバーは基本的にはウレタン塗装での表現となりますが、ウレタン塗装でのハイパー塗装は、密着性が弱いため、密着性、耐久性に優れたパウダーコートでの表現となりました。
パウダーコートでのハイパー塗装は、ハイパーシルバーはウレタン塗装でのハイパーシルバーとほぼ近似で可能ですが、ハイパーブラックはちょっと色合いが異なり、雰囲気的に似た感じとなります。
塗装をするからには最低限密着性は重視されるかと思いますので、多少の色合い、雰囲気の差を妥協出来るのであればパウダーコートにする意味は高いです。
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◉塗装の剥離から下地研磨
パウダーコートは、焼き付け温度200℃になります。
元の塗装はそこまでの耐熱性は無い為、パウダーコートにする以上は仮に新品であっても元の塗装は剥離する必要があります。
塗装を剥離、ブラスト研磨からさらにバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
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◉パウダーコートハイパーシルバー塗装
自動車メーカー純正ホイールですが、鋳造は鋳造ですので、一応下焼きを行います。
鋳造や腐食がある物をそのままいきなり本番塗装&200℃で焼き付けると、鋳造巣穴や腐食箇所から沸きが発生し、塗膜に気泡や染みを作りますので、本番前に200℃×数十分で下焼きを行います。この下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。下焼きを行っても沸きが出る物も中にはありますが、下焼きを行わないよりも沸きの発生率はグッと下がります。
下焼き後に、ハイパーシルバーをパウダーコートします。
ハイパーシルバーはスタンダードの明るさのハイパーシルバーライトと、少し濃い目(暗め)のハイパーシルバーダークの2タイプがあり、今回はスタンダードの明るさのハイパーシルバーライトにしました。
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一旦焼き付けでハイパーシルバーライトを硬化させます。
この段階では輝度感が強いですが、クリアーをオーバーコートするとトーンが落ち、丁度良い感じになります。
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クリアーをオーバーコートします。
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◉もう一度焼き付けて完成
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本来のウレタン塗装でのハイパーシルバーと、パウダーコートでのハイパーシルバーを、各項目での優劣比較です。至って私観的ですのでご参考までに。
□ 密着性 □
溶剤(ウレタン) ★★
パウダーコート ★★★★★
□ 耐久性 □
溶剤(ウレタン) ★★
パウダーコート ★★★★★
□ 塗膜強度 □
溶剤(ウレタン) ★★
パウダーコート ★★★★★
□ レベリング(塗膜平滑性)□
溶剤(ウレタン) ★★★★★
パウダーコート ★★★
□ ビジュアル(見た目) □
溶剤(ウレタン) ★★★★★
パウダーコート ★★★★
あくまで極個人的な評価です。
このようにどちらも一長一短はあります。
が、何より第一に基本性能として「剥がれ難い」「耐久性がある」事を皆様求められるのではないでしょうか?
そう言った塗装に求められる基本性能はパウダーコートが遥かに優れております。
大袈裟に結論付けると、「見た目ビジュアル重視のウレタン塗装」VS「トータル塗膜性能のパウダーコート」 と言えます。