ポルシェ964ターボ純正スピードライン3Pホイール 色変えフルオーバーホール修理
ポルシェ純正スピードライン3Pホイールは、コンスタントに良く入庫するホイールの1つです。
これも古いホイールですので、塗装の劣化艶引け、ポリッシュリムの白サビがあり、フルオーバーホールと同時にディスクを現状のシルバーからガンメタへ色替えご希望で、福岡県からご依頼いただきました。
ポリッシュリム特有のピアスボルト周辺からの白サビ有りです。
リムを直にピアスボルトで締め付ける構造のタイプは、ピアスボルトとリムの隙間から水分が混入し、リム素地とクリアー塗膜の間に染み渡りこのように白サビが出てきます。
ホイールや使用状況によっては、新品購入後1年未満で白サビが出る事も少なくありません。
インナーリムはクラック修理跡の溶接肉盛りしっぱなしの跡があります。
このようなクラック修理跡はしょっちゅうあります。溶接しっぱなしにする理由は強度確保の為とでも言うのでしょうが、強度確保にもなりませんし、バランスも崩れますし、何よりこれで「修理しました」とは言い難いですね。当社でのクラック修理は、クラックをV字に開口して溶接で埋め、平滑に整形研磨をしますので、溶接跡は残しません。今回はこのクラック修理跡もついでに再修理をします。
◉インナーリムの再塗装
インナーリムの元の塗装を剥離、回転研磨で下地を整えてからシルバーをパウダーコートです。
◉アウターリムのポリッシュ加工/ロゴエッヂング
アウターリムは、クリアーを剥離、回転研磨を経てバフ磨きでポリッシュにします。
普通はこれでポリッシュとして完成ですが、ここからさらにバレル仕上げ研磨にかけ、バフ目や光沢ムラのない綺麗な鏡面ポリッシュにします。
ロゴとサイズをエッヂングで入れます。
ポルシェスピードラインホイールは、このエッヂングが出来なければ意味が有りません。
最後にクリアーをパウダーコートです。
◉ピアスボルトの再塗装
ピアスボルトも元のシルバー塗装を剥離、1本1本サンドブラストをかけ、シルバーをパウダーコートです。ホイール1本に40本ですので合計160本です。
◉ディスクのガンメタ塗装
ディスクは元々はシルバーでしたが、ガンメタへ色変えします。
元の塗装を剥離、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
1コート目にガンメタ(ギャラクシーグレー)をパウダーコート、一旦焼き付け硬化後に、クリアーをパウダーコートです。
◉組み付けて完成です
アウターリム、インナーリム、ディスク、ピアスボルト、各部位ごとの作業が完了し、組み付け&シーリングをして完成となります。
センターキャップはプラ製ですので、溶剤ウレタン塗装での対応となります。
パウダーコートとウレタン塗装は、顔料も塗装方法も全く異なる塗装ですので、色合いは全く同じ色と言う訳にはいきませんので近似と言う事で。
ポルシェマークの堀は黒で炭入れしています。
ポルシェスピードラインは、3Pで各部位個別作業、しかもピアスボルトも塗装仕上げ、またリムにはロゴとサイズのエッヂング加工も必要になるため、手間もコストもかかります。