GT-R用 BBS LM 18インチ オールパウダーコート塗装でリフレッシュ
18インチですので、R35ではなくR34以前のタイプ用でしょう。
現状は、大きくは傷んでおりませんが、ゴールドディスクの艶引け、ポリッシュリムのクリアー剥がれ等の経年での劣化が出ているため、オーバーホール/リフレッシュご希望での入庫になります。
今回はオールパウダーコート仕上げにする事にしました。パウダーコートは元々の塗装(溶剤ウレタン)より、密着性・耐久性は遥かに強いので、今後は末永く良い状態をキープしながらお使いいただけると思います。
◉インナーリムのシルバー再塗装
リムの塗装を剥離し、回転研磨で素地を整え、塗装の下処理をします。
シルバーをパウダーコート塗装。
焼き付けて一旦シルバーで完成。
◉アウターリムのポリッシュ磨き
アウターリムはBBS純正は旋盤切削ポリッシュのダイヤモンドカットです。もちろん同じくダイヤモンドカット仕上げも可能ですが、ダイヤモンドカット面に対してのクリアーは溶剤ウレタンクリアーとなります。
溶剤ウレタンクリアーは、パウダーコートに比べると密着性は弱いので、今回はパウダーコートクリアーが使えるバフポリッシュにする事にしました。
バフポリッシュは人の手による手磨きですので、ダイヤモンドカットに似せるように疑似旋盤ラインっぽくしたり、鏡面にしたりと、ポリッシュの光沢感はある程度調整可能です。今回はあえて鏡面をご希望されました。
アウターに付いたシルバーを剥ぎ落としながらポリッシュに仕上げていきます。バフ磨きまで済ませて普通はこの段階で鏡面ポリッシュとして完成ですが、ここからさらにバレル仕上げ研磨にかけ、バフ目やバフムラの無い超光沢の鏡面にまで持って行きます。
最後にパウダーコートクリアーをインナー側含め丸塗りしてリムの完成です。
◉ディスクのゴールド塗装
ディスクも塗装を剥離、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下処理をします。
元々のゴールド近似のゴールド(パールゴールド)をパウダーコートします。
焼き付けて一旦硬化させてからパウダーコートクリアー丸塗りでディスク完成です。
◉ピアスボルトのブラック塗装
ピアスボルトも1本1本ブラスト処理をします。
ピアスボルトはガンコート塗装を使います。
もちろんパウダーコートでも良いですが、BBSのピアスボルトは頭にBBSの刻印があり、パウダーコートの膜厚だと、BBSの刻印がやや埋まりかけてしまうため、薄膜でも強靭な密着性を誇るガンコートを使います。
BBSの刻印もきっちり残ります。
◉組み付けをして完成です
パウダーコートは溶剤ウレタン塗装のように、色同士を混ぜ合わせて色を調色する事は出来ませんので、既存のカラーの中からの選択になります。そのため、元々の色感ドンピシャとはいきませんが、近似色では可能です。BBSのゴールドは年式による物なのか、その時のロットによる物なのか、ゴールドの色合いがマチマチなおかげで、違和感は無いと思います。