ポルシェ997GT3純正19インチホイール シルバーからオレンジへ色変え塗装
現状は純正のままのシルバーで、今回はシルバーからソリッドのオレンジへ色変えご希望で、東京都からご依頼いただきました。
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◉塗装剥離から下地処理
パウダーコートですので何をするにも、仮に新品でも元の塗装は剥離必須です。
剥離槽へ漬け込み大まかに剥離、サンドブラスト研磨で隅々まで残った塗膜を除去、普通はこれで塗装の下地処理として完了ですが、当社の場合はここからさらにバレル粗研磨にかけて完璧な塗装の下地を作ります。
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◉オレンジをパウダーコート
高級車の純正ホイールですが、材質は鋳造ですので一応下焼きを行います。
鋳造や腐食がある物を、そのままいきなり本番塗装&200℃で焼き付けると、鋳造巣穴や腐食箇所から沸きが発生し、塗膜に気泡や染みを作りますので、本番前に200℃×数十分で下焼きを行います。この下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。下焼きを行っても沸きが出る物も中にはありますが、下焼きを行わないよりも沸きの発生率はグッと下がります。
下焼き後にオレンジをパウダーコートです。
オレンジはソリッドのRALカラー2008を使いました。
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◉焼き付けて完成
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センターキャップは元々付いていた物はプラスチックでした。
プラスチックですとウレタン塗装での対応となりますが、昔は発色の良いソリッド色のウレタン塗料もありましたが、現在ウレタン塗料は無鉛タイプになってから、発色の良いソリッド色が無くなりましたので、今回のパウダーコートの発色の良いオレンジをウレタン塗装で表現する事は出来ませんでした。
また、クレストマークを黒にするためには、オレンジ塗装後に一旦黒を上塗りし、表面を拭き取る事でクレストマークの彫の中の黒だけを残すという方法を取りますが、元々付いていたセンターキャップのクレストマークの彫が最初からかなり浅かったため、この方法も取れませんでした。
ユーザー様にご相談をしたところ、アルミ製のセンターキャップをご用意出来るとの事で、アルミ製をご用意していただいたおかげで、パウダーコートが使えましたのでホイール同色のオレンジにも出来ましたし、クレストマークの彫も深かったのでしっかり色分けで黒にする事も出来ました。