ワーク seeker(シーカー)GX 18インチ バレル研磨でフルポリッシュ加工
オールポリッシュ加工ご希望で宮城県からご依頼いただきました。
ワークの多くは、リムとディスクが溶接されていて分解出来ない溶接2Pタイプで、今回のシーカーも溶接2Pです。構造が2Pなのに分解出来ない物は、基本的にはほぼ大方の作業は不可、特に丸ごとポリッシュのバレル研磨はアウトですが、今回の形状はなんとか出来る形状でしたのでお請けさせていただきました。
現状は、リムは光輝アルマイト、ディスクは旋盤切削のダイヤモンドカットベースに、オレンジ?カッパー?のようなキャンディーになっています。
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◉塗装の剥離から下地の研磨
塗装を剥離後にバレル粗研磨投入まえの素地の研磨をします。
回転摩擦抵抗の少ない中心付近はより細かい番手までペーパー掛けをします。リムとディスクの隙間も狭く深いので、ここも中心付近同様に、より細かい番手までペーパー掛けを行います。
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◉バレル粗研磨へ投入
バレル粗研磨へ投入します。
バレル粗研磨のメディアは大きいので、リムとディスクの狭い隙間奥までにはあまり入らないようです。
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仕上げ研磨のセラミックメディアは小さいので隙間奥まで入るので、仕上げ研磨投入前に、リムとディスクの隙間を半ポリッシュ程度まで磨きを入れます。
ついでに光り難い中心部も一応処理しておきます。
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◉バレル仕上げ研磨投入
満を持してバレル仕上げ研磨にかけてオールポリッシュ完成となります。
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バレル研磨でのオールポリッシュ加工は、バレル粗研磨投入前までの下地研磨の作業の良し悪しがそのまま仕上がりに直結します。つまり、下地研磨の段階でツボを押さえた作業が出来れば、無駄な工程も省け、各工程1発でここまで光ります。
ポリッシュ仕上げはクリアーの有無を選択出来ます。
《クリアー有り》
・メリット
保護膜が出来るので、酸化白ボケはしません。
・デメリット
クリアーと言えども塗膜の厚み分で僅かな濁りは出ますので、やや光沢は引けて見えます。
いずれ、クリアー膜と素地との間に水分が入り、白サビが出ます。
白錆は、今回の作業と同じ作業をしなければ除去出来ませんので、そうなると同じだけコストがかかってしまいます。
《クリアー無し》
・メリット
濁りのない、純粋で綺麗な鏡面になります。
塗膜は無いので、理論上白錆びは出ません。
・デメリット
保護膜が無いので、徐々に酸化白ボケはします。
ただし、酸化白ボケは市販の艶出し剤を使い、DIY手磨きで復活出来ます。
このように、ポリッシュ後のクリアー有無はどちらも一長一短ありますので、ご相談下さい。