インパルBBS-M1 17インチ リム交換リバレル+再塗装フルオーバーホール
リム交換でのサイズ(太さ)アップとフルオーバーホールご希望で山形県からご依頼いただきました。
リムはアウター/インナーが一体の2Pリムですが、単純にアウターリムを深くして太くしたいだけであれば、アウター側を旋盤でカットして切り離し、インナーは現物を使用、アウターをリバレルリムに交換と言う方法も取れますが、今回は太さと同時にご希望のオフセットがあり、それに近づけるためと言う事もあり、アウターもインナーも両方交換になりました。
サイズ計測を済ませて先にリバレルリムを発注し、入荷するまでに他の作業を進めております。
◎ディスクのシルバー再塗装
元の塗装を剥離、ブラスト研磨からバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
1コート目にシルバーをパウダーコート、焼き付けて一旦シルバーを硬化させ、2コートにクリアーをオーバーコートです。
センタープレートも同作業で進めます。
◎6角キャップのポリッシュ加工
6角キャップは元々はシルバーとポリッシュのツートンになっていますが、同じくは出来ませんので、シルバー丸塗りか丸ごとポリッシュかのどちらかになります。今回は丸ごとポリッシュを選択されました。
丸ごとポリッシュに加工後にパウダーコートクリアー塗装です。
◎ピアスボルトは交換です
元々はアウター/インナーが一体の2Pリムですが、リム交換後はアウター/インナー別々の3Pになりますので、リム1枚分厚くなるため、元々のピアスボルトでは長さが足りません。
3pモデルのRSの純正ピアスボルトを入手するか、社外のピアスボルトに交換するかのどちらかになり、今回は社外のピアスボルト交換になりました。
今回のインパルBBS含め、LM、LM-R、スーパーRS等の2Pモデルのピアスボルトの長さは約22㎜、3PモデルのRSのピアスボルトの長さは30㎜程です。
◎リム入荷です
リムは主にアメリカからになり、最短早くても1ヵ月程、遅ければ2ヵ月3ヵ月待たされます。
そもそも日本人ほどシビアではないという事もありますが、大きな理由は、アメリカと中国の間の貿易戦争にあります。リムのインゴット(原材料)は中国からの輸入ですが、長引く貿易戦争の影響でインゴットがスムーズに入荷してこないのだそうです。
今回のリムも、3月初めに発注し、入荷したのが5月に入ってからですので、2ヵ月程かかりました。
・元々のサイズ
フロント 8.0j +35(アウター1.0j+インナー7.0j)
リア 9.0j +38(アウター2.0j+インナー7.0j)
・交換後のサイズ
フロント 9.0j +22.3(アウター2.0j+インナー7.0j)
リア 10.0j +12.6(アウター3.5j+インナー6.5j)
今回は2P→3Pになるので、リム1枚分の厚み約5ミリ程がさらにマイナスオフセットになります。
フロント 9.0j +22.3→+17位(アウター2.0j+インナー7.0j)
リア 10.0j +12.6→+7.5位(アウター3.5j+インナー6.5j)
◎アウターリムのクリアー塗装&インナーリムのシルバー塗装
アウターリムはバフ磨きの状態で届きます。そのままポリッシュとしてでも特に悪くはありませんが、バフ目や輸送中の擦れ等がありますので、当社にてバレル仕上げ研磨にかけて綺麗な鏡面にしてからパウダーコートクリアー塗装です。
インナーリムはシルバー塗装ですので、脱脂洗浄をしてからパウダーコートシルバー塗装です。
◎組付けて完成です
3Pになりましたので、組付け後にアウター/インナーの合わせ面にコーキングを入れて完成になります。
太さでフロントもリアもそれぞれ+1.0j、アウターリムの深さでフロント+1.0j、リア+1.5jなので、元々から大幅アップではありませんが、見た目は全然変わります。
リバレルリム代、社外ピアスボルト代、自社での作業工賃を合計すると、そこそこ良いホイールの新品が購入出来る位の金額にはなりますが、それでは意味がありませんね。
リバレルリム代が結構高いので、自社の作業工賃分は総額の1/3位程度です。