OZクロノ 16インチホイール 再塗装フルオーバーホール修理
このホイールも昔から人気のホイールですが、古いホイールで元々の塗装もよろしくないので、今となっては状態の良い物は中々無いですね。
今回も特に大きな破損はありませんが、全体に塗装劣化、艶引けが著しいので、綺麗に再塗装オーバーホールご希望で山形県よりご依頼いただきました。
元々は赤でOZロゴがありますが、それも消えてなくなっています。
◎塗装剥離から下地処理
元の塗装を剥離、サンドブラスト研磨からバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
OZクロノやOZラリーは、素地の砂目が粗く、何重も重ねた塗膜で素地の粗さを隠しているため、中々剥離が大変です。
◎ホワイト塗装
まずはホワイトでパウダーコートです。
材質が良くはないので、下焼きを施してから塗装します。
●下焼きとは●
鋳造や腐食がある物、つまり材質が良くない物を、そのままいきなり本番塗装&200℃で焼き付けると、鋳造巣穴や腐食箇所から沸きが発生し、塗膜に気泡や染みを作りますので、本番前に200℃×数十分で下焼きを行います。この下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言う理屈です。下焼きを行っても沸きが出る物も中にはありますが、下焼きを行わないよりも沸きの発生率はグッと下がります。
パウダーコートホワイト塗装
◎OZロゴ入れ
前まではステッカーでロゴを製作し、貼り付け後に溶剤ウレタン塗装クリアーで閉じていましたが、ホワイトはパウダーコートで丈夫でも、クリアーが弱いウレタン塗装のクリアーでは、折角のパウダーコートの意味がありませんので、今は塗装でロゴ入れ、クリアーもパウダーコートクリアーで閉じるようにしています。
塗装での文字入れも、ウレタン塗装で入れると、その後のパウダーコートクリアーの焼き温度にウレタン塗装は耐えられませんので、高耐熱、超薄膜のガンコートと言う特殊な塗装で入れます。
OZロゴを文字抜きシートで製作します。
貼り付けて余計な面をマスキングで隠します。
ガンコートの赤で文字部分塗装します。
剥がして塗装文字入れ完了です。
◎パウダーコートクリアー塗装
最後にパウダーコートクリアー丸塗りします。
ホワイトに対してのクリアーオーバーコートは、通常通りの焼き温度&時間で焼き付けると、やや黄ばみが出ますので、焼き温度&時間は、対ホワイト専用の温度&時間で行います。
◎もう一度焼き付けて完成です
ガンコートは薄膜ですので、ロゴの塗膜段差もなく平滑にクリアーで閉じられているため、まるでプリントされているかのようになります。