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FORGIATO F2.01 20インチのディスクメタリック塗装/リムキャンディー塗装

2020年5月7日
フォージアート(FORGIATO)F2.01の20インチです。

特に何かの修理ついでと言う事ではなく、リメイクで色変えご希望で東京都よりご依頼いただきました。



が、良く見ると、ディスクが後塗りされていて、凸凹にイビツになっています。

これを見て、ある程度何をどうしたのかは想像出来ますので、お客様にご説明をし、嫌な予感を抱えながら作業に入っていきます。




まずは塗装を剥離します。

リムとディスクを分解し、まずはディスクの塗装を剥離して素地を確認します。

元々はクロームで、クロームは基本弱いので、腐食が酷くなったため、剥離はせずに粗削りをして塗り潰したのだろうと想像はしていましたが、やはり想像通りでした。

何をどうしたのかは想像通りでしたが、処理の仕方がここまでお粗末なのはちょっと想像以上でした・・・。




もし変に手を付けられていない状態ですと、クロームを電解剥離で剥離をしてから、ブラッシュドなりポリッシュなりにカスタムのご希望でしたが、ここまで状態が悪くなっていると、素地の表現であるブラッシュドやポリッシュにするには現実的では無いだろうと言う事になり、メタリック塗装に予定変更になりました。

そこでも、中途半端に残っているクロームを電解剥離するかどうか?で悩みました。

クロームの電解剥離は剥離するだけでそこそこ費用がかかりますし、電解剥離は素地への攻撃性が強いため、鋳造はもちろん、鍛造でも腐食が酷いような弱っている材質ですと、電解剥離の攻撃性によって素地がガタガタに侵食されてしまい、その後の処理に逆に酷く手間がかかってしまうと言う事もありますので、お客様のご予算や、費用対効果等を総合的に考え、今回はクロームは剥離せずに、上塗りする事になりました。

ちなみに、塗装は仮に新品でもパウダーコート上塗りは出来ませんが、クロームはクローム自体が金属膜ですので、パウダーコート上塗りは可能です。


次に下地の塗装を行います。

今回は、変にガタガタに削られていますので、ベースにパウダーコートのプライマーを塗装します。

ある程度処理を施してからプライマーをパウダーコートします。




焼付けてプライマーを硬化させ、面出し研磨を行い、面出し仕切れない部分や巣穴は専用パテで処理し、プライマーをもう1コート行います。





続いてメタリック塗装を行います。

2度目のプライマーも焼付け硬化させてから同じようにもう一度面出し研磨を行い、3コート目にファイアーサイドカッパーをパウダーコートします。



ファイアーサイドカッパーを焼き付けて一旦硬化させ、最後4コート目にクリアーを丸塗りします。

プライマーも併せて合計4コートになりました。




続いてリムの塗装を行います。

アウターリムは元々クロームメッキで、リムに関しては多少の腐食はありましたが、使えない程ではありませんでしたので、元々のクロームをベースにキャンディー塗装にします。



インナーリムは無垢ですので、回転研磨でポリッシュに加工をします。




キャンディーはフィクスチャーブロンズと言う、かなり濃いブロンズ系キャンディーにしました。

アウターリムもインナーリムも、フィクスチャーブロンズをパウダーコートです。



最後に組付けて完成となります。








今回ディスクの作業がかなり大変でした。

腐食等で状態が悪いのはいくらでも処理出来ますが、変に手を掛けれてしまっている物は、その影響による仕上がりの良し悪しも、最後に手を掛けた当社の責任として見られがちという事もありますので、変に手を掛けられている物よりは、状態が悪くても悪い状態のままの方が処理はし易いです。

このお客様は、中古購入されたと言う事で、一般ユーザー様は過去に何をどうされたのかまでは把握出来ないのは仕方がありませんので、出来るだけカバーするよう試みはしますが、如何せん出来る事限界はありますので、中古を購入される場合は、慎重に購入された方が良いです。