ケーニッヒベンツ用BBS RSを旧フェラーリへフルオーバーホール+PCD加工
メーカー純正で、フロントが10.0j-7、リアに至っては13.0j-58もあります。
ケーニッヒのあのブリスターフェンダーですので、この位のサイズが無ければカッコ付きませんね。
これも四半世紀以上昔のホイールですので、傷みや劣化等は当然ありますので、全て綺麗にフルオーバーホール修理ご希望で、山梨県よりご依頼いただきました。
希少なホイールですが、当社ではこのホイールがよく入庫してきます。
完全3Pですので、分解をして各個別に作業を進めます。
BBS RSは、アウターリム、インナーリム、ディスク、ワッフルプレート、6角キャップ、ピアスボルトと点数が多いので、作業もそれなりに時間がかかります。
最初にPCD加工を済ませます。
今回はPCD加工も行います。
現状はベンツ用ですのでPCD112で、今度は旧フェラーリに装着との事で、PCD108に加工します。
バックパットがフラットのタイプでしたので、本来ですと今の穴と穴の間に新規で108で穴を開けるのが一番やり易いですが、このホイールは間にピン穴が開いているタイプで、そこに108で穴を開けると、既存のピン穴に中途半端に被ってしまうため、既存の穴の中心を移動させた位置へテーパーブッシュを圧入する方法で行いました。
112→108ですので、穴の中心が内側で2㎜移動した位置へテーパーブッシュを圧入します。
テーパーブッシュが内側に寄っているのが分かるかと思います。
次にディスク・ワッフルプレートの塗装をします。
元の塗装を剥離、ブラスト研磨で素地を整えてから1コート目に、ゴールドをパウダーコートします。
焼付けてゴールドを一旦硬化させ、2コート目にクリアーをオーバーコートします。
6角キャップはポリッシュにします。
センター6角キャップはポリッシュにします。
他のRSの分も同時に行います。
アウターリムのポリッシュ+クリアー塗装を行います。
回転研磨後にバフ磨きを行いポリッシュにし、さらにバレル仕上げ研磨にかけ、バフ目や磨き目が無い綺麗な鏡面ポリッシュにまでします。
クリアーはもちろんパウダーコートです。
ポリッシュに対するクリアー塗装はご希望に応じて選択可能です。
鏡面の輝き重視はクリアー無し、メンテナンス性重視はクリアー有りです。
ただし、クリアー無しは鏡面感は綺麗ですが、無垢肌のため、酸化により徐々に白ボケしてきます。
酸化白ボケはDIY手磨きで復活はしますが、常に綺麗に維持するには手間はかかります。
クリアー有は、クリアーが保護膜になるので、酸化白ボケはしませんが、いずれはクリアー膜の下に水分が混入し、白錆びが出てきます。
RSのように、リムを直にピアスで締め付けるタイプは、ピアスがクリアー塗膜に食い込んでいるため、ピアスボルト周辺から白錆びが出て来やすいです。
以上のように、ポリッシュのクリアー有り無しはそちらも一長一短あります。
詳しくは「ホイール鏡面ポリッシュのクリアー塗装有り無しの比較/手入れ」を参照下さい。
今回はクリアー有りを選択されましたので、パウダーコートクリアー塗装を行います。
インナーリムのブラック塗装を行います。
インナーリムは、グロスブラックにします。
回転研磨で素地を整えてから、グロスブラックをパウダーコートです。
ピアスボルトはゴールドメッキ調にします。
クロームメッキの上にキャンディーゴールド塗装をする事で、ゴールドメッキ調になります。
今回のようなドイツ当時の古いRSのピアスはクロームメッキではなく梨地ですので、一旦クロームメッキ加工を施してから、パウダーコートのキャンディーゴールド塗装をします。
オーナメントのロゴ加工を行います。
今回は、ケーニッヒフェラーリへ装着と言う事で、オーナメントをBBSロゴを、ケーニッヒのKSロゴにします。
オーナメントを足付けし、黒に塗装をし、カッティングで金メッキシートで切り出したKSロゴを貼り付けし、クリアーで閉じます。
クリアー硬化後に表面を研いでさらにクリアー重ね塗り、これを何度か繰り返す事で、KSロゴが透明樹脂で覆われているかのようになります。
組付けて完成となります。
数ある部品点数をそれぞれ個別に完成させ、最後に組付けをして完成となります。