ポルシェ993ターボ純正鋳造ホイールをガンメタ/シルバー色分け塗装
現状はシルバー単色ですが、今回リフレッシュを兼ねて、スポークはガンメタ、リムはシルバーで塗り分けご希望で、新潟県よりご依頼いただきました。
まずは塗装剥離、下処理を行います。
剥離槽へ漬けこみ塗装を剥離、ブラスト研磨後にさらにバレル研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
インナー、側面は回転研磨をかけます。
次にガンメタ塗装を行います。
ポルシェ純正と言えども鋳造です。
鋳造をいきなり200℃で焼くと鋳造巣穴からの沸きが出る物もありますので、念のため下焼きを行ってから、1コート目にメインとなるガンメタをパウダーコートします。
焼付けてガンメタを硬化させます。
続いてリムのシルバー塗装を行います。
パウダーコートは粉末顔料の電着ですので、ウレタン塗装のようにマスキングで区切って色分けは不向き、不向きと言うより綺麗に境目のラインを出す事は出来ないので、リムのシルバー塗装は溶剤を使います。
最後にパウダーコートクリアーを丸塗り&200℃焼付けを行うため、溶剤と言ってもウレタン塗装は200℃焼付けには耐えられませんので、ガンコートという特殊塗装を使います。
ガンコートは耐熱性はパウダーコートより遥かに高いので、200℃焼付けでも全く問題ありません。
元々のリムとスポークの段差でマスキングをし、リムを足付け研磨後にガンコートでのシルバー塗装です。
最後にパウダーコートクリアー丸塗りです。
リムのガンコートシルバー塗装を規定温度×時間で焼付けてから、最後にパウダーコートクリアーを丸塗りします。
もう一度焼き付けて完成となります。
センターキャップはプラ製なので、ウレタン塗装になります。
パウダーコートとウレタン塗装は、材料も方法も根本的に全く異なりますので、全く同じ色と言う訳にはいきませんので、近似色と言う事で。
今回は、色分けでありながらパウダーコートフィニッシュがポイントです。
通常は、ガンメタをクリアーまでパウダーコートで仕上げ、マスキングで仕切ってリムのシルバーはウレタン塗装仕上げ、と言うのが普通です。
が、リム以外をパウダーコートで仕上げても、リムのシルバーがウレタン塗装では、折角のパウダーコートの意味が半減してしまいますので、今回はあくまでパウダーコートフィニッシュを前提にしました。