希少!ルノー5(サンク)ターボ純正ホイールをオーバーホール!新品同様に復元!
1980年頃、40年程昔のホイールなので、当然腐食や傷みはあって当然、むしろこの程度の状態で維持されていた事の方が奇跡的です。
超希少な車ですので、社外ホイールでは意味がなく、純正ホイールじゃなきゃダメなレベルの車です。
これをオーバーホール修理で新品同様に復元していきます。
まずは塗装を剥離します。
元の塗装を剥離、ブラスト研磨で下地を整えます。
通常はブラスト研磨後にバレル粗研磨もかけますが、バレル粗研磨にかけると素地がある程度ツル肌になります。
希少なホイールなので、元々の鋳造肌を少しでも再現する為に今回はバレル粗研磨にはかけません。
次にブラックを塗装します。
まずはベースのブラックを塗装します。
ここでも通常はパウダーコートで塗装しますが、パウダーコートは塗膜が厚いので、塗膜の厚みで鋳造肌がある程度平滑に埋まってしまうため、溶剤塗装にします。
溶剤塗装と言っても、最後はパウダーコートクリアーで仕上げるので、通常の溶剤塗装ではパウダーコートの焼き温度200度には耐えられませんので、ここでは薄膜で耐熱性も高いガンコートを使います。
ガンコートでのブラック塗装です。
続いて天面を切削します。
元々(製造時)は、旋盤切削ポリッシュのカットポリッシュですが、この年代の鋳造ホイールを旋盤切削ポリッシュにすると、鋳造巣穴が表面に出てきて、表面一面針で突いたような点々跡になり、そうなるとクリアー塗装も弾いてしまうので、ブラッシュドの要領でブラッシュドより目を細かく仕上げます。
表面天面、インナー、側面をブラッシュド切削します。
最後にクリアー塗装を行います。
いきなりパウダーコートクリアー&200℃で焼くと、間違いなく沸きが出るので、事前に下焼きを行います。
下焼きの段階で出る物を出してしまおう、と言うのが下焼きの目的です。
下焼き後にパウダーコートクリアー塗装を行います。
焼付けて完成です。
下焼きを行ってもそれでも沸きが出てしまう物もありますので、沸きの可能性を出来るだけ低くするために、通常の焼き温度より低い温度で、その代わりに焼き時間を長めにとります。
沸きと言える沸きは出ずに済み、ほぼ完璧と言えるでしょう。
40年前の希少なホイールも見事に復活出来ました。