カールソン 2/16 RS Diamond Edition 21インチをバレル研磨ポリッシュ加工
ダイヤモンドエディションなので、ディスク天面が旋盤切削ポリッシュのダイヤモンドカットになっているタイプのため、ダイヤモンドカット+溶剤クリアー仕上げ特有の白錆びが結構出ており、これをバレル研磨でのポリッシュ加工ご希望で青森県よりご依頼いただきました。
構造は2Pなので、本来は分解してリムとディスク別々の作業になり、もちろんその方が完全な作業が可能ですが、残念ながら溶接2Pで分解が出来ませんので、このままで作業を進めます。
まずは塗装剥離から下地研磨です。
剥離槽へ漬けこみ元の塗装を剥離し、ブラスト研磨で残った塗膜を隅々まで除去します。
下地研磨ですが、表面はもちろんウインドウ(スポーク間)も下地研磨を施してバレル研磨にかける事で表面もウインドウも鏡面になる3Dポリッシュと、ウインドウは下地研磨を施さずに表面だけ下地研磨を施してバレル研磨にかける事でウインドウは素地砂肌が残りつつ鈍い光沢のポリッシュに、下地研磨を施した表面は鏡面になる2Dポリッシュとがあり、両者で完成後の見え方と費用も変わります。
どう見せたいかやご予算等と相談をしながらどちらで行くかを決めていきますが、今回は2Dポリッシュになりましたので、ウインドウは素地肌のまま、表面天面を下地研磨を施します。
ポリッシュ仕上げは、この下地研磨が最重要作業で、全行程の多くの割合をこの作業で占めます。
逆に言うと、この段階の作業が完璧に施されていれば、以降の工程1発でスムーズに進みます。
次にバレル粗研磨をかけます。
入念な下地研磨後にバレル粗研磨へ投入します。
最後にバレル仕上げ研磨をかけます。
満を持してバレル仕上げ研磨へ投入します。
ご覧の通り、最初の段階の作業がしっかり行われていれば、1発でここまで光ります。
下地研磨を施していないウインドウは素地砂肌が残りつつやんわり光る感じになります。
ポリッシュ後のクリアー塗装は、御希望や目的により有り無し選択出来ます。
ポリッシュの輝き重視の場合はクリアー無しが美しいですが、保護膜が無いので徐々に酸化による白濁りはしてきますので、定期的にDIYメンテナンスをしながら維持する必要があります。
DIYメンテナンスが億劫な場合はクリアー塗装をした方が維持は楽ですが、クリアーと言えども塗膜分の僅かな濁りは出ます。
また、クリアーと素地の間に水分が入り込む事で出来る白錆びはいずれ出てきます。
酸化白濁りはDIYで何とか出来ても、白錆びはDIYではどうにも出来ません。
ポリッシュのクリアー有り無しはどちらも一長一短で、さらに詳しくは「ホイール鏡面ポリッシュのクリアー塗装有り無しの比較/手入れ」にて参照下さい。
今回は輝き重視のクリアー無しを選択されましたので、洗浄したダミーピアスボルトを取り付けて完成となります。
ディスクは鋳造なので鍛造のような深い鏡面までにはなりませんが、それでも遜色無いレベルまでは光っていると思います。