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溶接2Pホイール(WORKターミストリローデット)のフルオーバーホール修理

2020年9月29日
WORK(ワーク) ターミスト リローデットの18インチホイールです。

このホイールは、構造の2Pですが、リムとディスクが溶接されている溶接2Pタイプで、修理や塗装、フルオーバーホール、カスタム等には不向きで、出来る事が極限られます。

今回は、出来る範囲でフルオーバーホール希望と言う事で、京都府よりご依頼いただきました。



溶接2Pの作業性について解説しながらご紹介していきます。

まずは塗装の剥離をします。

その前に、溶接2Pはピアスボルトは機能しないのでただの飾りのダミーピアスです。
ほとんどの物は圧入になっており、裏から叩くと外せますが、中には圧入だが穴が裏まで貫通していない物、ネジ式だが軟質金属で回すと簡単に折れると言う事が多く、今回はネジ式でしたら簡単に折れるパターンでしたので、ドリルで壊して外しました。

よって再使用は出来ませんので、代替えボルトと交換にします。

ダミーピアス撤去後に、このまま剥離槽へ漬けこみし、その後にブラスト研磨、さらにバレル粗研磨で塗装の下地を整えます。

剥離方法は1Pと同じですが、溶接2Pはリムとディスクの間に隙間があるので、隙間に何かと異物が挟まります。

もちろん隙間の異物は除去しますが、あまり狭いと完全には除去仕切れない物もあります。



説明が前後しましたが、溶接2Pは裏を見ればわかります。




次にシルバー塗装をします。

ディスク、インナーはシルバーにするので、まずはシルバーをパウダーコートです。



続いてリムのポリッシュ加工をします。

単色丸塗りであれば、溶接2Pでもほとんどの物が施工可能ですが、リムのポリッシュは形状により出来る物出来ない物が分かれます。

リムに対してディスク外周が平坦の物であれば、リムのポリッシュ加工も可能ですが、スポークがリムに覆いかぶさっていたり、リムに対して段差がある形状の物は、リムのポリッシュは不可です。




今回はリムに対して平坦でしたので、リムのポリッシュは可能でした。

それでも100%完全とはいきません。

ディスクが邪魔になり、リムの一番下のディスクの合わせ部分は僅かに塗膜が残り気味になります。




最後にクリアー塗装をします。

最後にパウダーコートクリアー丸塗りします。



焼付けて完成です。

焼付けてクリアー塗装完了、代替えピアスボルトを取り付けて完成です。








普通に見れば特に何も問題なく見えますね。

良ーく見ると、リムの一番下のディスクの隙間付近の磨き切れないシルバー塗装の残りがあります。



リムとディスクの隙間の除去仕切れない異物も僅かにあります。

異物もそうですが、隙間があまりに狭いと、塗装時に塗膜で隙間が塞がりかけるので、それらも異物のように見えてしまいます。



もう一つの問題は、2P、3Pであれば、塗装時は当然分解した状態で個別に塗装するので、隅々まで塗膜が付きますが、溶接2Pの場合は、剥離時は剥離液槽に漬けるので、隙間の内部まで剥離されますが、塗装時は隙間内部まで塗膜は付きません。

つまり、隙間内部は保護膜が無い事になるため、隙間内部から比較的早期に腐食が上がってきやすいです。