クラックや粗悪修理跡があるOZフッツーラのインナーリムを交換
ホイールが入庫し、現物確認をすると、4本中3本のインナーリムにクラックが複数個所あり、さらに粗悪に修理された跡もあったため、無理矢理修理をしても修理代もそうですが、またすぐに割れるのは明らかなので、4本ともインナーリムを交換する事にしました。
リバレルリムは海外取り寄せになり、早い時でも1ヵ月程、遅い時ですと2ヵ月、それ以上かかる事も多々ありますので、先に発注をしておき、入荷までの間に他の出来る作業を進めておきます。
アウターリムはポリッシュ磨き直しをします。
回転研磨後にバフ磨きでポリッシュ再生します。
普通はこれでポリッシュ完成ですが、当社の場合はここからさらにバレル仕上げ研磨にかけ、バフ目の無い鏡面ポリッシュにまでもっていきます。
ポリッシュ後のクリアー塗装の有無はご希望に応じて選択していただきます。
■クリア塗装無し
光沢の邪魔になる塗膜が無いので、鏡面の輝きは綺麗ですが、保護膜(クリアー)が無いため、徐々に酸化により白濁りします。
酸化白濁りは、市販の艶出し剤でDIY手磨きで復活しますので、定期的にDIY手磨きをしながら維持していく必要があります。
■クリアー塗装有り
保護膜(クリアー)があるので酸化白濁りはしませんが、いずれ飛び石等やピアスボルト周辺からクリアーの下に水分が入り込み、白錆びが出てきます。
特にOZフッツーラのように、リムを直にピアスボルトで締め付けるタイプは、締め付け時にピアスボルトがクリアー塗膜へ食い込みますので、そこから水分が混入し、白錆びが出やすいです。
白錆びはクリアー塗膜の下で、表面を磨いても消えませんので、クリアーを剥離し素地を磨かなければ解消出来ません。
以上のように、ポリッシュのクリアー塗装有無はどちらも一長一短ありますので、目的に応じて任意で選択していただきます。
今回はクリアー塗装有りをご希望されましたので、バレル仕上げ研磨後にクリアーをパウダーコートします。
ディスク、センターキャップはシルバー再塗装です。
元の塗装を剥離し、ブラスト研磨後にシルバーをパウダーコートします。
焼付けてシルバー硬化後にクリアーをオーバーコート、もう一度焼き付けてシルバー再塗装完成です。
ピアスボルトはシャンパンゴールド塗装です。
元々はクロームメッキですが、お客様のご希望でシャンパンゴールドへ塗装になりました。
ブラスト研磨処理後に、シャンパンゴールドをパウダーコートします。
インナーリムが入荷しました。
リバレルリムは鍛造なので、強度的には純正リムよりは強いはずです。
脱脂洗浄後に、純正と同じくグレーをパウダーコートします。
最後に組付けをして完成となります。