エンケイスポルシュをリム交換インチアップ&ブラッシュドカスタム
現状は17インチのリバースリムで、これをステップリムに換装で18インチへインチアップ、ディスクはブラッシュドでカスタムご希望で、埼玉県よりご依頼いただきました。
リム交換リバレルでこのホイールを選択されるのが渋いですね。
このホイール、ディスクサンドイッチでの3Pですが、変則的なサンドイッチでサイズ算出から苦労しました。
3Pホイールには、オーバーディスク、アンダーディスク、サンドイッチディスクの3つの組付け方があります。
オーバーディスクはディスクが一番上、アンダーディスクはディスクが一番下、サンドイッチディスクは、ディスクがアウターリムとインナーリムの間、です。
通常サンドイッチディスクはディスクの厚みが12.7㎜あり、ディスクの厚み分も0.5jに換算されていますが、今回のエンケイスポルシュは、サンドイッチディスクですが、ディスクの厚みが7㎜程しかなく、尚且つリムのピアスボルトの面が盛り上がっていて、その盛り上がりの中にディスクが納まる構造になっており、サンドイッチディスクなのに、ディスクの厚みが換算されていないサイズになっていました。
これが通常のサンドイッチディスクです。
今回のエンケイスポルシュはディスクの厚み分が無く、アウターリムとインナーリムとがピッタリくっついています。
このような重なりになっています。
これを通常のサンドイッチディスクで組み付けると、ディスク厚が7㎜程しかなく中途半端太さになってしまい、正確なサイズが出せませんので、リバレル後がアンダーディスクで組付ける事にしてサイズ出しを行いました。
サイズ出しも、通常は現状のアウターリム、インナーリム単体のサイズ、現状のオフセットから逆算して計算していきますが、今回は変則構造のためこれが出来ないので、ディスクのハブ高さを計り、そこから組み合わせるアウターリム、インナーリムのサイズで太さとオフセットを算出しました。
無事リムサイズが決まり、先にリバレルリムを発注し、入荷までの間にディスクのブラッシュド加工を済ませておきます。
元の塗装を剥離し、ブラスト研磨後にブラッシュド加工を行います。
センターキャップも同じくブラッシュドにします。
クリアーをパウダーコートします。
リバレルリム入荷です。
インナーリムは無垢素地の状態で、ブラックご希望なので、脱脂洗浄後にブラックをパウダーコートします。
アウターリムはバフ磨きの状態で入荷しますが、バフ目や擦れ跡等はあるので、バレル仕上げ研磨にかけ、バフ目や擦れ跡を消して綺麗な鏡面ポリッシュにします。
ポリッシュ後にクリアー有無は目的に応じて選択していただきます。
【クリアー有りのメリット】
・クリアーが保護膜になるので酸化白ボケはしません。
【クリアー有りのデメリット】
・クリアーと言えども塗膜分僅かな濁りは出ます。
・塗膜と素地の間に水分が混入し、いずれは白錆びが出てきます。
特にピアスボルトでリムを直に締め付けるタイプは、ピアスボルト周辺の白錆びが出やすい。
白錆びは、リム/ディスク分解し、クリアー剥離からポリッシュ再磨きしなければ落ちません。
【クリアー無しのメリット】
・素地鏡面の光沢その物を表現出来ます。
【クリアー無しのデメリット】
・保護膜が無いので、徐々に酸化白ボケしてきます。
酸化白ボケは市販の艶出剤を使い手磨きで復活しますので、定期的なメンテナンスが必要。
今回はクリアー塗装ご希望されましたので、クリアーをパウダーコートします。
ピアスボルトは再メッキをしました。
ディスクが一番下になるアンダーディスクで組付けて完成となります。
フロント用は、アウターリム5.0+インナーリム5.5の10.5j、オフセット-23です。
リア用は、アウターリム6.0+インナーリム6.0の12.0j、オフセット-29です。
画像はリア用で、6.0インチのアウターリムは圧巻の深さです。