20インチOZフッツーラをオーバーホール&リム交換+PCD加工
当社においてはOZフッツーラ=リム交換リバレル加工、と言う程リム交換率の高いホイールの一つで、今回もオーバーホールとリム交換、さらにPCD加工までご希望で、神奈川県よりご依頼いただきました。
最初にPCD加工を済ませてからディスクの塗装に入ります。
現状のPCDは114.3/5で、加工は120/5です。
バックパットに逃げの凹があるタイプは、元の穴内でPCDを移動させてテーパーブッシュを埋め込むスライドブッシュ式で加工を行うしかありません。
もし、バックパットの逃げの凹がフラットになるまでスライスをしても良い場合は、フラットになるまでスライス後に、今の穴と穴の間に新たに120/5を開ける事が出来ます。
そうすると元の穴と新規の穴とで10穴マルチになりますが、フッツーラのようにカバーで隠れるタイプはそれでも見た目を損なう事はありません。
今回は、バックパットがフラットなので、今の穴と穴の間に穴を開ける方法にしました。
センターカバーの固定ネジ穴があるので、必要以上にホールを大きくせずに、使用するとナットとソケットもお借りし、それが使える大きさのホールにします。
PCD加工後に塗装に入ります。
元の塗装を剥離し、1コート目にシルバーをパウダーコートします。
センターカバーも同色なので同時進行します。
今回はスペア含め6枚です。
センターカバーの掘り文字はグレーにしますので、ざっくりマスキングをしてグレー塗装をします。
最後にパウダーコートクリアーで閉じるので、ウレタン塗装ではパウダーコートの焼き温度200度には耐えられないので、耐熱性の高いガンコートと言う塗装でグレーを入れます。
マスキングを剥がし、表面に付いたグレーを拭き取ると、堀文字内のグレーだけが残ります。
最後にディスクと一緒にパウダーコートクリアーを塗装します。
リバレルリムは最初に発注を済ませておき、入荷までの間に他の塗装等の作業を進めておきますが、リバレルリムは部材在庫ある時で早くて1ヵ月程、部材在庫無しで遅い時は最大3ヵ月程かかり、今回は3ヵ月強かかりようやく入荷しました。
インナーリムは素地無垢の状態なので、最低限塗装は必要で、今回はブラックご希望なので、脱脂洗浄後にブラックをパウダーコートします。
アウターリムはバフポリッシュの状態で入荷するので、そのままでもOKですが、ハブ目や擦れ跡等はあるので、自社にてバレル仕上げ研磨にかけ、綺麗な鏡面ポリッシュにします。
ポリッシュに対してのクリアー有無はご希望に応じて選択していただきます。
◆◆◆ポリッシュに対してのクリアー有り無し比較◆◆◆
【クリアー有りのメリット】
・クリアーが保護膜になるので酸化白ボケはしません。
【クリアー有りのデメリット】
・クリアーと言えども塗膜分僅かな濁りは出ます。
・塗膜と素地の間に水分が混入し、いずれは白錆びが出てきます。
特にピアスボルトでリムを直に締め付けるタイプは、ピアスボルト周辺の白錆びが出やすく、白錆びは、リム/ディスクを分解し、クリアー剥離からポリッシュ再磨きしなければ落ちません。
【クリアー無しのメリット】
・素地鏡面の光沢その物を表現出来ます。
【クリアー無しのデメリット】
・保護膜(クリアー)が無いので、徐々に酸化白ボケしてきます。
酸化白ボケは市販の艶出剤を使い手磨きで復活しますので、定期的なメンテナンスが必要。
このようにポリッシュに対してのクリアー有り無しはどちらも一長一短あります。
常用するお車でしたらクリアー有り、イベント用車両や、限られた時にしか乗らないから輝き重視と言う事でしたらクリアー無しで鏡面の美しさを表現する、と言う事になろうかと思います。
輝き重視かメンテナンス性重視か、と言う事になります。
今回はクリアー有りご希望なので、クリアーをパウダーコートします。
全てのパーツの作業が終わり、組付けをして完成となります。
純正と同じロゴプリントタイプのリムシールは黒とグレー2タイプ常備しています。
サイズは、元々は9.5j、これをリム交換で11.5jになっています。
リムサイズ、オフセットに関してはお客様ご希望で非公開です。