SSRロンシャンをダイヤモンドカット仕上げフルオーバーホール
それほど痛みは酷くありませんが、艶引けや小傷があるので、フルオーバーホールで新品時のように戻したいとの事で、大分県よりご依頼いただきました。
スポーク表面は旋盤での切削ポリッシュのダイヤモンドカットで、最近は似せた仕上げとしてブラッシュド細目で仕上げる事も多いですが、今回はあくまでオリジナル状態ご希望でしたので、同じくダイヤモンドカット仕上げで行います。
ダイヤモンドカットは旋盤切削になるので、リムがあまり深い場合は、リムが邪魔になり旋盤刃物がスポーク表面まで届かないので、こういう場合はアウターリムを分解する必要がありますが、ロンシャンは溶接で組付けられているので、アウターリムの溶接をカットしてリムを切り離します。
アウターリムを切り離し、ディスクとインナーになったところで、先にスポーク窓のブラック塗装を行います。
元の塗装を剥離、ブラスト研磨後にまずはブラックをパウダーコートします。
焼付けてブラックを硬化後に、インナー側を綺麗に研磨します。
最後にスポーク表面をダイヤモンドカットをします。
アウターリムは、回転研磨後にバフ磨きでポリッシュにし、さらにバレル仕上げ研磨にかけ、綺麗な鏡面ポリッシュにします。
クリアー塗装も出来ますが、ロンシャンのようにリムを直にフランジナットで締め付けるタイプは、クリアー塗膜に食い込んでいき、そこから水分が入り込み早期に白錆びは出るので、クリアー塗装はしない方が良いと思います。
アウターリムを組付けます。
ロンシャンはM8ボルト10本付いているので、溶接は必ずしも必要と言う事もないようにも思いますが、再溶接もご希望でしたので、元のように溶接をし直します。
完成です。
トップコートのクリアーは、ダイヤモンドカット仕上げの場合は溶剤ウレタン塗装のクリアー塗装、ブラッシュド細目仕上げの場合はパウダーコートのクリアーになります。
塗装(クリアー)の強度でいくと、ブラッシュド細目+パウダーコートクリアーの方が耐久性は強いです。