ジウジアーロ13インチホイールをオーバーホール/ブラッシュド仕上げ
年代物ですので、全体的に腐食や傷みがあるため、全て綺麗にフルオーバーホールご希望で、秋田県よりご依頼いただきました。
元々製造時は、表面天面のポリッシュは、旋盤での切削ポリッシュのダイヤモンドカットで、同じくダイヤモンドカット仕上げにも出来ますが、この年代の鋳造ホイールを旋盤再切削をすると、鋳造巣穴だらけになる事が多いので、今回はリスクを回避するために、ブラッシュド仕上げに変更する事にしました。
まずは、元の塗装の剥離、ブラスト研磨で塗装の準備をします。
表面のスリットとインナー側は黒なので、最初にブラックをパウダーコートします。
焼付けてブラックを硬化させてから、表面天面をブラッシュド加工をしますが、今回はブラッシュドにする事が目的ではなく、ダイヤモンドカットの代用なので、通常のブラッシュドよりも細目にします。
インナーの外周と側面も綺麗な切削肌にします。
部分的に腐食侵食の深い個所は染みのような跡が残ります。
最後にパウダーコートクリアー丸塗りします。
もう一度焼き付けて完成です。
部分的に腐食侵食が深かった個所は、沸きが出ました。
パウダーコートは焼き温度が180℃を超えるので、古い鋳造や腐食がある物の場合は、本番塗装前に200℃程度で数十分間空焼き(下焼き)を行い、異物等出る物をこの段階で出してしまい、その後に本番塗装&焼付けを行います。
今回ももちろんそのような工程を踏みましたが、それでも完全回避出来ない場合もあります。