BBS LM DB-SLD 20インチをオリジナル仕上げでフルオーバーホール
入庫時画像ありませんが、そこまで酷く傷んでいる訳ではなく、全体的に艶引けや擦り傷等あり、それら全てオリジナルと同じ仕上げで綺麗にフルオーバーホールご希望で、広島県よりご依頼いただきました。
まずはリムから作業に入ります。
元の塗装を剥離し、回転研磨で下地を整え、シルバーをパウダーコートします。
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焼付けてシルバーを硬化後にアウターの作業に取り掛かります。
アウターリムは、オリジナルは旋盤ポリッシュのダイヤモンドカットで、修理においてもダイヤモンドカット加工は可能です。
ただ、ダイヤモンドカット仕上げの場合のクリアーは溶剤ウレタン塗装のクリアーになりますが、回転研磨でダイヤモンドカットに似せた仕上げやポリッシュ仕上げの場合は、丈夫なパウダーコートクリアーが使えます。
オリジナルダイヤモンドカットを重視するか、クリアーの丈夫さを重視するか、と言う選択になります。
今回は、最初から全てオリジナルと同じ仕上げがご希望でしたので、アウターリムをダイヤモンドカット+溶剤ウレタンクリアーで仕上げます。
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次にディスクの作業に入ります。
ディスクも色変えはせずにDBで再生します。
DBもオリジナルを忠実に再現するには溶剤ウレタン塗装になりますが、溶剤ウレタン塗装のDBやDS等のハイパー塗装は密着性が弱い特性がある塗装なので、似た感じでも良ければ丈夫なパウダーコートでも表現は出来ます。
今回は、リムと同じく全てオリジナル再生ご希望なので、ディスクのDB塗装も溶剤ウレタン塗装で行います。
元の塗装を剥離し、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
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DS(ダイヤモンドシルバー)のベースカラーはグレー、DB(ダイヤモンドブラック)のベースカラーはブラックなので、まずはブラックをパウダーコートします。
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焼付けてブラックを硬化させ、面出しを兼ねて足付けを行います。
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次に専用プライマーを塗装します。
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専用プライマー硬化後に、ハイパーの元ネタの銀幕を薄く何回かに分けて重ねていきます。
焼付け後に最終のクリアーを塗装してディスクDB再塗装完成です。
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後はリムとディスクを組付けて完成となります。
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ピアスボルトは再メッキをしております。
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塗装の強さ、密着性重視のオールパウダーコートをご希望される場合が今は多いですが、今回のようにオリジナル重視の方法でご希望される方もおります。