2ピースリムのBBS LMを純正インナーリム再使用アウターリム交換
LMのリムは、アウター/インナーが一体の2ピースリム(以下「2Pリム」)なので、リム交換をすると必然的に2ピース(以下「2P」)→3ピース(以下「3P」)化になります。
アウターもしくはインナーのどちらかだけを交換にする場合は、純正2Pリムを旋盤カットしてどちらかだけ純正再使用する事は出来ますが、この方法は再使用しない側のリムは文字通り使えなくなりますので、純正リムを取っておきたい場合は、アウターもインナーも両方交換が必須になります。
今回は、カットしてインナー側は再使用し、アウターを社外リムに交換にする事になりました。
早速旋盤にてインナー側を再使用出来るようにアウター側をカットします。
交換するアウター側は、純正約1.0インチから2.0インチリムへ変更します。
2P→3P化の場合は、単純にはいきません。
ディスク側のリムが引っかかる部分を嵌合と言いますが、元々は2Pなので、リム厚1枚分だけが引っかかる高さしかありません。
純正2Pリムは当然ですがリム厚1枚分だけです。
2Pから3Pになるので、2枚重ねになります。
純正のままはこのような感じで引っ掛かります。
2Pから3Pになり、リム厚が2枚分になるとインナー側が引っかからなくなります。
このままセンター出しをして、ピアスボルトで締め付けをしても、LMの場合はピアスボルトが20本と少ないので、インナー側がズレる不安があるため、ディスク側のピアスボルト裏面座面を切削し、インナー側も引っ掛かるように嵌合の高さを高くすると良いのですが、計算上5㎜程度スライスする必要があります。
元々ピアスボルトが付く部分の厚みが約9㎜程なので、5㎜スライスすると4㎜になり、これではちょっと不安です。
よって、ディスクとリムを仮組みし、センター出しをした状態でアウターとインナーを溶接する事で、ディスク側をスライスする事なくインナーのズレを防止出来ます。
リムの下準備が済ませてからまずはインナー側をシルバーに塗装します。
焼付けてシルバー硬化後に、アウター側を処理します。
アウター側は、鏡面ポリッシュ、ブラッシュド、ダイヤモンドカット似如何様にも出来ますが、今回はダイヤモンドカット似ご希望でしたので、回転研磨でダイヤモンドカット似のポリッシュにします。
最後にクリアーを丸塗りし、もう一度焼き付けてリム完成です。
今回は、当初はリム交換のみでディスクの再塗装はしない予定だったのですが、仮組をしてリムを溶接する時に、溶接熱に負けてディスク外周が熱で変色してしまったので、ディスクの塗装もやり直しにします。
4本セットですが、1本は現行モデル、3本は古いモデルで、塗装もかなり弱っていた事もあり、現行モデルの1枚は変色しませんでしたが、古く塗装が劣化している3枚が変色しました。
いずれにしても濃淡合わせる為に同時に4枚塗装し直しにします。
まずは元の塗装を剥離、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を作ります。
メーカー純正のDS(ダイヤモンドシルバー)は、溶剤で塗装されておりますが、今回は折角ですので丈夫なパウダーコートで行います。
1コート目にベースとなる高輝度シルバーをパウダーコートします。
焼付けて高輝度シルバー硬化、この段階ではDSよりも輝度強めですが、クリアーをオーバーコートすると丁度良い感じになります。
2コート目にクリアーをオーバーコートします。
後はリムと組付けですが、ピアスボルトも変える必要があります。
元々の2Pリムは前途で解説の通りリム厚1枚、3Pになる事でリム厚2枚分になるため、元々のピアスボルトでは長さが足りなくなりますので、3P用のロングボルトに交換する必要があります。
社外ボルトでも良いですが、BBS RSは元々3Pなので、RS純正のピアスボルトを使い、組付けをして完成となります。
当初はディスク作業無しのリム交換のみでしたが、結局ディスク再塗装&リム交換のフルコース作業になりました。
ディスク3枚は塗装の状態が良く無く、塗面に結構シワも入っていたので、逆に良かったと思います。