RAYS VOLK RACING GT-7のフォーミュラーシルバー色変えO/H
特に曲がりや破損等はありませんが、結構古いホイールなので、艶引けやアルマイトリムのくすみ等あり、フルO/H(オーバーホール)を兼ねてディスクを現状のゴールドからフォーミュラーシルバーへ色変えご希望で、千葉県よりご依頼いただきました。
まずはリムから作業に入ります。
リムはアウター/インナーが一体の2ピースリムですので、丸ごと同時作業になります。
アウターリムは鏡面ポリッシュに、インナーリムはちょっと鈍目のポリッシュにし、元々オリジナルと似たような感じにします。
クリアーはパウダーコートクリアーで丸塗りします。
ディスクはフォーミュラーシルバーへ色変えします。
レイズのフォーミュラーシルバー、BBSのDBは、メーカーでの呼び名が違うだけで、ハイパーブラックと呼ばれる塗装になります。
まずは元の塗装を剥離、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下地を整えます。
ハイパー塗装は、ベースカラーを黒にするとハイパーブラックと呼ばれ、今回のフォーミュラーシルバー、BBSのDB、ハイパーブラック、グレーにするとハイパーシルバーと呼ばれ、レイズで言うマーキュリーシルバー、BBSのDSはそれにあたります。
今回はベースが黒のハイパーブラック、フォーミュラーシルバーにしますので、グロスブラックをパウダーコート、焼付けて一旦硬化させます。
グロスブラック塗装後に、目出しを兼ねて足付け研磨を行います。
センター窪みは最後に切削しますが、後々やり易いように大まかに黒を剥ぎ落しておきます。
面出し足付け研磨後に、ハイパー塗装前の溶剤プライマーを塗装します。
ここからハイパー塗装銀幕を塗装していきますが、塗装と言うよりは薄く何回かに分けて重ねていき感じです。
ハイパー塗装の銀幕は、輝度が強いタイプと弱いタイプの2種類あり、メーカー色に合わせて都度使い分けます。
今回のレイズのフォーミュラーシルバーに使う銀幕は輝度が強いタイプになります。
最後にクリアーを塗装します。
完全硬化させてから、センター窪みの切削を行いますが、溶剤ハイパー塗装は密着が良く無いのが特徴の塗装のため、僅かでも手元がズレるとアウト、最初からやり直しになりますので、極シビアな作業になります。
センター窪みの切削加工後に、もう一度丸ごとクリアーを塗装してディスク完成です。
後はリムと組付けをして完成となります。
センターキャップは、グロスブラックに塗装、ピアスボルトはステンレスブラックへ交換してあります。
ハイパー塗装は密着が良く無い塗装ですので、パウダーコートでいきたいところですが、レイズで言うマーキュリーシルバー、BBSで言うDSのハイパーシルバーに関してはパウダーコートでもほぼ近似で加工ですが、今回のレイズのフォーミュラーシルバー、BBSのDBのハイパーブラックに関しては、パウダーコートでは似たような雰囲気程度にしか出来ませんので、その物ズバリで表現されたい場合は、従来通りの溶剤でのハイパー塗装になります。
つまり、多少密着を犠牲にしてもビジュアル重視で溶剤塗装にするか、色合いは妥協し密着性重視でパウダーコートでいくか、のようなイメージになります。