ロリンザーRSK6 20インチをクロームメッキ電解剥離/シルバー塗装
このホイールも良く入庫するホイールの一つです。
現状ディスクがクロームメッキになっており、これをシルバー塗装へ変更ご希望で、岡山県よりご依頼いただきました。
クロームメッキは塗装を剥離するようには剥離できなく、電解剥離という方法での剥離になり、剥離をするだけでそこそこ費用がかかります。
また、鋳造や腐食が出ている物を電解剥離すると、素地がガタガタに浸食されますので、クロームメッキタイプのリメイクは、余計に費用もかかり、尚且つ必ずしも綺麗に仕上がる保証も出来ないので、リスクのある作業となります。
今回も事前にご説明をし、ご了承の上での作業となりました。
まずは、分解をし、ディスクとセンターキャップと、電解剥離業者へ剥離依頼します。
電解剥離から戻ってきてからは自社作業になり、ブラスト研磨、バレル粗研磨と、いつもの塗装の下地処理をします。
今回は、一番目立つディスク表面は電解剥離後も特に何もなく綺麗で、ウインドウの隅の方に僅かに浸食跡がある程度でしたので、かなり幸運です。
この程度でしたら下手にパテ処理をするよりもこのままでもほとんど目立つ部分ではありませんので、このままいきます。
ちなみにディスクの裏は、全面に渡り結構浸食が酷いです。
まずは1コート目にシルバーをパウダーコートします。
焼き付けてシルバー硬化後、2コート目にクリアーをパウダーコートします。
もう一度焼き付けてディスク完成です。
目立たない個所に浸食跡が少しあるだけで、全体的には綺麗に仕上がりました。
続いてリムの作業に入ります。
リムはアルマイトリムですので、通常通りの作業で進めます。
回転研磨で素地を整えてから、インナー側をシルバーに塗装します。
焼き付けてシルバー硬化後に、アウターをポリッシュに加工をします。
RSK6は、リムにスポーエンドが覆い被さっているので、その部分は常時スポークの下になり、洗えませんので、この部分は腐食が出やすいです。
今回も、スポークの下になっている部分に腐食跡が僅かに残りました。
最後にクリアーを丸塗りします。
今回一番問題だったのがセンターキャップでした。
電解剥離をすると、一面浸食だらけでかなり酷いです。
これは買い替えいただいた方が良いと思いましたが、RSK6のセンターキャップは、びっくりする位高いので、そうもいかず何とか再生する事にしました。
プライマーを分厚く塗装して研いでを何回か繰り返すとほぼ埋まられると思いますが、ロゴも一緒に埋まってしまいますので、プライマーを塗装、ギリギリまで研いで、もう一度プライマーを塗装、と行った結果買い替える程ではないかな?というレベルには出来ましたので、何とか買い替えは避けられました。
これで完成です。
前途の通り、クロームタイプのリメイクは、電解剥離で余計に費用がかかり、その上綺麗に仕上がる保証も出来ませんので、今回のロリンザーのように、それでもやる価値はある、というような場合を除き、費用対効果を考えるとあまりお勧めは出来ません。