無限MR5をポリッシュ加工+艶消しクリアー塗装でオリジナル再現
ディスクブラックの物は何度も入庫して事はありますが、ディスクシルバーのタイプの入庫は意外と初でした。神奈川県よりご依頼いただきました。
当初はディスクはシルバー塗装とばかり思っていましたが、鍛造アルマイト処理の未塗装であるという事を今回初めて知りました。
ユーザー様がご購入当時のカタログをお持ちで、そのカタログには、
「アルミ6061合金、ディスク鍛造後は一切の表面キズ修正処理等を行わないという製造上の特徴の結果、小さな打痕、スリ傷、しわはクレーム対象外、塗装無しでアルマイト処理」
と、このように記載されているようで、「へ〜、アルマイト処理だけの地肌そのままなんだ〜」と初めて分かりました。
ユーザー様とも何度も意見を交わし、色々と勉強になりました。
このディスクの質感をどうやって表現するか、と言う問題になりますが、ベースを鏡面ポリッシュに加工をし、それに対して艶消しクリアー塗装を行う事で、ベースポリッシュの銀光沢と、艶消しクリアーの白っぽさが調和し、良い感じになるはずなので、この予定で作業に入ります。
先にリムから作業に入ります。
リムは、オリジナルは、側面とインナーはマシニング削りだし素地肌、アウターは旋盤切削ポリッシュのダイヤモンドカットなので、同じように再現します。
アウター側のダイヤモンドカット加工ですが、ダイヤモンドカット機材には仮のジグディスクを付けてセットしますが、このホイールのディスクが乗るリム側の台座面は、斜めになっており、ジグディスクが付かなっかので、ダイヤモンドカットは却下になり、回転研磨でのダイヤモンドカット似仕上げになりました。
ダイヤモンドカット仕上げの場合のクリアーは溶剤、回転研磨でダイヤモンドカットに似せた仕上げの場合のクリアーは、丈夫なパウダーコートが使えるので、むしろダイヤモンドカット似仕上げの方が耐久性は強いです。
側面は切削肌、アウターとインナーはダイヤモンドカット似の肌にします。
クリアーはパウダーコートクリアー丸塗りです。
ピアスボルトも、元々オリジナルと似た感じで、ガンメタにパウダーコートします。
次にディスクの加工に入ります。
まずはバレル研磨でのフルポリッシュにします。
作業途中画像がありませんが、ブラスト研磨後に、手作業での下地研磨を行います。
凹凸が多いデザインなので、結構大変な作業ですが、この段階の作業が完璧に行われていなければ、仕上がりにそのまま直結します。
下地研磨後にバレル粗研磨にかけ、最後にバレル仕上げ研磨にかけます。
下地研磨さえ完璧に施されていれば、各工程1発でここまで光ります。
国産鍛造なので良く光ります。
ここまで綺麗な鏡面ポリッシュになると、艶を消すのが勿体ないですが、艶消しクリアーをパウダーコートします。
どうでしょうか?新品はこんな感じだったのかな?と思える位上手くいったと思います。
後はリムと組付けて完成となります。