レーベンハートLSRクロームメッキを塗装仕様へリメイク+リム交換
当時ではまだ多くは無い20インチで、サイズ的にもデザイン的にも今の時代も見劣りしないホイールですね。
ディスクはクロームメッキですが、腐食でメッキ浮きも出ており、チープな感じにリメイクしたいとの事で、普通のシルバー塗装へ仕様変更、併せてリム交換リバレル加工で、サイズも大幅に変更ご希望で、北海道よりご依頼いただきました。
リバレルリムは早い時で入荷まで1.5ヵ月程、遅い時で3ヵ月程、部材在庫無しの場合は未定という場合もあり、今回は途中で色々あって発注先変更等もあり、何だかんだで半年程かかってしまいました。
リバレルリムのアウターは、バフ磨きの状態で入荷するので、ポリッシュご希望の場合はそのままでも使えるには使えますが、多少バフ目や擦れ跡等はあるので、自社で磨き直して綺麗な鏡面ポリッシュにし直します。
ポリッシュ後のクリアー塗装有無はご希望により任意で選択していただけます。
クリアー塗装の有無の比較を大まかにまとめますと、
【クリアー塗装有りのメリット】
・クリアーが保護膜になるので酸化白ボケはしません。
【クリアー有りのデメリット】
・クリアーと言えども塗膜分僅かな濁りは出ます。
・塗膜と素地の間に水分が混入し、いずれは白錆びが出てきます。
特にピアスボルトでリムを直に締め付けるタイプは、ピアスボルト周辺の白錆びが出やすい。
白錆びは、リム/ディスク分解し、クリアー剥離からポリッシュ再磨きしなければ落ちません。
【クリアー無しのメリット】
・素地鏡面の光沢その物を表現出来ます。
【クリアー無しのデメリット】
・保護膜が無いので、徐々に酸化白ボケしてきます。
酸化白ボケは市販の艶出剤を使い手磨きで復活しますので、定期的なメンテナンスが必要。
このようにポリッシュに対してのクリアー有り無しはどちらも一長一短あります。
常用するお車でしたらクリアー有り、イベント用車両や、限られた時にしか乗らないから輝き重視と言う事でしたらクリアー無しで鏡面の美しさを表現する、と言う事になろうかと思います。
輝き重視かメンテナンス性重視か、と言う事になるかと思います。
今回は鏡面感重視でクリアー塗装無しご希望です。
インナーリムはブラックご希望なので、脱脂洗浄後にブラックをパウダーコートします。
ディスクは元々クロームメッキで、クロームメッキは金属の膜なので、クロームメッキの上にもパウダーコートは乗りますが、剥離するに越した事はありません。
今回は、腐食でメッキ浮きも見られたため、剥離をする事にしました。
クロームメッキの剥離は塗装のように剥離液では剥離出来ませんので、電解剥離をいう専用の方法での剥離になり、剥離するだけでそこそこ費用かかります。
また、腐食が酷い物や材質の良くない物の電解剥離は、弱っている個所がガタガタに浸食される事もあるので、クロームメッキで腐食がある程度酷い物の場合は、必ずしも綺麗に復活出来るとは限りません。
今回は、軽い腐食程度でしたので、多少浸食跡残る程度で大きくは目立つ程ではありませんでした。
クロームメッキ剥離後です。
素地は綺麗な方でしたので、ブラスト研磨で軽く整えてからシルバーをパウダーコートします。
焼き付けて硬化後にクリアーをオーバーコート、もう一度焼き付けてディスク、センターキャップのクロームメッキからシルバー塗装完了です。
最後に組付けをして完成となります。
ピアスボルト、センターキャップも固定ボルトは代替え新品に交換してあります。