フェラーリ488GTBの純正20インチホイールをフルポリッシュ加工
現状は純正のままのシルバー塗装の状態を、フルポリッシュ加工ご希望で、北海道よりご依頼いただきました。
1Pホイールや2P/3Pホイールのディスクのポリッシュ加工は、バレル研磨機で行います。
ポリッシュは、ウインドウ(スポーク間内)も鏡面にする3Dポリッシュ、ウインドウ内は素地砂肌が残りつつ鈍く光り、天面は鏡面にする2Dとがあり、両者で見せ方も費用も変わってきますので、事前にご希望やご予算と相談しながらどちらにするかを決めていきます。
今回はウインドウは鈍く、天面は鏡面の2Dポリッシュご希望になりました。
まずは元の塗装を剥離、ブラスト研磨で残った塗膜を隅々まで除去します。
塗装を剥離したそのままバレル研磨にかけるだけで鏡面になる訳ではなく、バレル研磨にかける前に、エアーツールを使いながら手作業で下地研磨を行いますが、この下地研磨作業が仕上がりに直結する最重要作業になり、トータル時間の多くはこの段階に費やされます。
今回は2Dなので、表面天面だけ下地研磨を行います。
下地研磨後の画像がありませんが、下地研磨後にバレル粗研磨をかけます。
バレル粗研磨後に、満を持してバレル仕上げ研磨をかけます。
今回ウインドウは下地研磨をしないでバレル研磨をする事で、ウインドウは砂肌が残りつつ鈍目に、天面は下地研磨をしてからバレル研磨にかける事で鏡面になる2Dポリッシュでしたが、形状と素地砂肌の状態が良かったため、ウインドウ内も遜色ない位光りました、と言いますか光ってしまいました。
僅かに砂肌跡があります。
ポリッシュ後のクリアー塗装有無は任意で選択していただけます。
イメージとしては、鏡面の輝き重視はクリアー塗装無し、メンテナンス性重視はクリアー有り、と言う感じになります。
ただし、クリアー塗装無しは保護膜(クリアー膜)が無いので、徐々に酸化により白濁りしてきます。
酸化白濁りはDIY手磨きで解消にはなりますが、定期的にメンテナンスをしながら維持していく必要があります。
一方クリアー塗装有りは、クリアーが保護膜となるので、酸化白濁りはしませんが、鏡面無垢の状態に比べると2割程輝き感が引けます。
また、いずれクリアーの下に水分が混入し、それが白ミミズ錆となります。
白ミミズ錆びは、クリアーを剥離し素地を磨かなければ除去になりませんので、DIY処理は出来ません。
以上のように、ポリッシュに対するクリアー塗装有無はどちらも一長一短あります。
今回はクリアー塗装ご希望でしたので、クリアーをパウダーコートします。
焼き付けて完成となります。
バレル仕上げ研磨完了後の画像と比較すると、クリアー塗装後は若干鏡面感が引けているのが分かるかと思います。
ギラっとした輝きから、柔らかい輝きになる、と言う感じでしょうか。