BBS RS 15インチをリム交換16インチ化+PCD加工+バレル研磨
リム交換リバレル加工で15インチから16インチ化、114.3/5から100/4へPCD加工、バレル研磨にてディスクポリッシュ加工のカスタムご希望で鳥取県よりご依頼いただきました。
リバレルリムは発注から入荷までに平均3ヵ月程かかりますので、先にリムを発注し、入荷までの間に他の出来る作業を進めておきます。
まず最初にPCD加工から行います。
元々が114.3/5、これを100/4にご希望です。
ベースの穴数を加工後の穴数が違う場合は、バックパットがフラットである必要があり、逃げのある形状のタイプの場合は、フラットになるまでスライスをする必要がありますが、今回はバックパットがフラットのタイプですので、スライスの必要はありません。
5穴→4穴の場合は、5穴の内の1穴を埋める必要がありますので、1穴をアルミ圧入で埋め、100/4で穴開けをします。
12時の位置が丸くアルミ色していますがここの穴をアルミ圧入で埋めています。
ディスクはポリッシュご希望です。
元の塗装を剥離、ブラスト研磨でまずは素地にします。
ディスクや1Pホイールのポリッシュはバレル研磨機にかけて行いますが、塗装を剥離してそのままバレル研磨にかけるだけでは綺麗なポリッシュになりません。
エアーツールを使っての手作業による下地研磨を施してからバレル粗研磨にかけますが、この段階の作業が一番重要で、多くの時間もこの段階に費やします。
手作業の下地研磨後にバレル粗研磨にかけ、最後にバレル仕上げ研磨にかけます。
下地研磨作業がしっかり施されていれば、各工程1発でここまで光ります。
もちろんワッフルプレート、6角キャップも同時に進めます。
ポリッシュへのクリアー塗装有無は任意で選択していただけます。
判断基準としては、鏡面の輝き重視はクリアー塗装無し、メンテナンス性重視はクリアー有り、と言う感じになります。
ただし、クリアー塗装無しは保護膜となるクリアーが無いので、徐々に酸化により白濁りしてきます。
酸化白濁りはDIY手磨きで解消出来ますが、定期的にメンテナンスをしながら維持していく必要があります。
一方クリアー塗装有りは、クリアーが保護膜となるので、酸化白濁りはしませんが、鏡面無垢の状態に比べると2割程輝き感が引けます。
また、いずれクリアーの下に水分が混入し、それが白錆となります。
白錆びは、クリアーを剥離し素地を磨かなければ除去出来ませんので、DIY処理は出来ません。
以上のように、ポリッシュに対するクリアー塗装有無はどちらも一長一短あります。
今回はクリアー塗装有りご希望なので、クリアーをパウダーコートします。
6角キャップはキャンディーモナコカッパーご希望でしたが、15インチRSの6角キャップは、樹脂のネジ柱が圧入されているタイプで、このままパウダーコートでのキャンディー塗装をすると、パウダーコートの焼き温度は180℃になるため、樹脂は溶けてしまうので、今回は溶剤塗装にてパウダーコートでのキャンディーモナコカッパー近似塗装にしました。
ピアスボルトもキャンディーモナコカッパーご希望です。
元々のメッキが洗浄だけで綺麗になればそのままキャンディー塗装で綺麗になりますが、錆があれば錆びは洗浄では落ちませんので、錆があって綺麗にする場合は再メッキとなります。
今回も再メッキ加工後にキャンディーモナコカッパーをパウダーコートします。
今回も3ヵ月程でリム入荷です。
リバレルリムのアウターはポリッシュの状態で入荷するので、ポリッシュご希望の場合はそのままでも良いと言えば良いのですが、多少擦れ跡等はあるので、自社で磨き直して綺麗な鏡面にします。
アウターリムは鏡面の輝き重視のクリアー無しご希望です。
インナーリムは素地無垢の状態で入荷するので何かしら処理はした方が良いです。
今回はブラックご希望なので、脱脂洗浄後にブラックをパウダーコートします。
これで部材全て作業完了しましたので、後は組付けをしてBBS RSの15→16、ポリッシュ仕様の完成です。
アウターリムはクリアーレスなので、まさに鏡面この映り込みです。