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ニスモLMGT2の17インチをリフレッシュ再塗装&リム交換リバレル

2024年9月7日
ニスモLMGT2の17インチホイールです。

LMGT2、LMGT1のニスモLMシリーズは中古相場が高騰して、かなりの高級ホイールになっていますね。

当社では特に最近は常に入庫しているイメージのホイールの一つです。

今回は、ディスクのリフレッシュ再塗装とリム交換リバレル加工ご希望で香川県よりご依頼いただきました。

古いホイールなので、それなりにくたびれています。



リバレルリムは入荷までに平均3ヶ月程度かかりますので、先に発注し、入荷までに他の作業を進めておきます。

まずはディスクの作業を進めていきます。

元の塗装を剥離、ブラスト研磨後にバレル粗研磨にかけ、塗装の下処理をします。



ホワイトをパウダーコートします。



センターを切削肌にし、クリアーをパウダーコートします。




ニスモLMシリーズやマツダスピードMS-01もそうですが、レイズの当時のアンダーディスクの2Pモデルで、裏を見た時にディスク外周の半々で補強のブラケットが付いているタイプと言えば分かる人は分かるでしょうか。

このタイプはインナーリム形状がこれ専用の形状で、リバレルリムに変えるとディスクが裏から入らなくなりますので、インナーリムは純正を使う必要があります。

ディスクだけで見ると、外周のピアスボルトの面が、半々がピアスボルトの穴が無く狭くなっているのがそのためです。

リバース→ステップに変えてインチアップにする場合は問題ありません。

なので、今回はリバースのままなので、純正リムのアウター側をカットし、インナーは純正再使用、アウターを交換、と言うようにします。

今回も交換をするアウター側をカットし、インナー単体の状態にします。


アウターリバレルリムの入荷です。



元々がアウター/インナー一体の2Pリムで、リバレルする事により3Pとなりますが、元々が一体のため元々同じ理屈になるようにアウターとインナーを溶接します。

溶接はTIGの手溶接ではなく、リム溶接専用に作った自動溶接機で行います。



自動溶接なので、溶接ビード(溶接跡)も均一で綺麗になります。

溶接後の画像撮り忘れていたので、別ホイールでの画像ですが、このように綺麗な跡になります。



アウター/インナーで事実上2Pリムとしてから塗装に入ります。

インナーはブラックご希望でしたので、ブラックをパウダーコートします。




焼き付け硬化後にアウターをポリッシュにします。

回転研磨からバフ磨きでポリッシュにし、さらにバレル仕上げ研磨にかけ、ハブ目の無い鏡面ポリッシュにします。

ポリッシュ後のクリアー塗装有無は任意で選択となります。

鏡面の輝き重視はクリアー塗装無し、メンテナンス性重視はクリアー塗装有り、と言う感じになります。

ただし、クリアー塗装無しは保護膜(クリアー膜)が無いので、徐々に酸化により白濁りしてきます。

酸化白濁りはDIY手磨きで解消にはなりますが、定期的にメンテナンスをしながら維持していく必要があります。

一方クリアー塗装有りは、クリアーが保護膜となるので、酸化白濁りはしませんが、クリアー塗装無しの無垢の状態に比べると2割程輝き感が引けます。

また、いずれクリアーの下に水分が混入し、それが白錆となります。

白錆は、クリアーを剥離し素地を磨かなければ除去になりませんので、DIY処理は出来ません。

以上のように、ポリッシュに対するクリアー塗装有無はどちらも一長一短あります。

今回は、鏡面感重視でクリアー塗装無しご希望です。

後はリムとディスクを組付けとなりますが、2Pから3Pになる事で、元々のピアスボルトは長さが足りなくなるため、3P用ピアスボルトに替える必要がありますが、社外汎用のピアスボルトは、よく見るタイプの頭がギザギザ12角のタイプで、LMGT2は、フランジキャップボルトと言って、頭が6角穴でフランジがあるタイプで、社外汎用ピアスボルトでは対応無しのため、普通のボルトの規格品で代用します。

ただ、太さがM7で市販規格サイズではM7はなく、M8かM6になりますが、M8ではフランジ径が大き過ぎるので、M6を使います。

が、元々のピアスボルトが通る穴径は7㎜なので、M6をそのまま使うと隙間が多くガタガタ動きます。

なので、元々の穴径を8㎜に拡大し、8㎜→6㎜の変換カラーを使ってM6ボルトがキッチリ通るようにします。




後は組付けて完成となります。

スポークステッカーは複製制作しています。










ニスモLMGT系のリバレルは簡単にはいきませんが、何セットもの施工実績を重ねてノウハウを蓄積しています。