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マグネシウムの酸化を抑制する本格化成処理「マグリコート」とは?

2024年11月16日
マグネシウムホイールは手入れや環境により短期間で腐食し易く、再塗装する際も密着しづらいのが難点です。

「マグリコート」は、専用の化成処理液で腐食しやすいマグネシウムの活性を抑え、空気中の酸素や水分を遮断するプライマーでマグネシウムの表面を保護するマグネシウムホイール再塗装前下処理サービスです。


マグネシウムの酸化防止処理は放電陽極酸化処理がベスト


マグネシウムはとても酸化しやすく、手入れや環境により短期間で腐食します。

アルミとは耐食性において大きな差があり、防錆処理を施してあっても、経年劣化によって性能が低下すると、酸化はどんどん進行してしまいます。

塗装を剥離したところ、塗膜の下が虫食い状態に腐食してボロボロ……という事はよくあり、再塗装を進める上で『こんな状態ではなかった』という事態になる場合も少なくないのです。

マグネシウムは耐食性が乏しいだけでなく、塗装が非常に難しく、どれだけ注意深く下地処理を行っても、塗膜の下で酸化が進行し、密着したように見えた塗膜が簡単に浮いて剥離してしまいます。

工業界でマグネシウムの酸化腐食を抑制するために用いられるのが「放電陽極酸化処理」という表面処理手法です。

これはアルミに対するアルマイトと同様で、マグネシウムに対して電解処理によって強制的に酸化皮膜を形成し、大気中の酸素から遮断することを目的としています。

ただしアルマイトと違って、電解処理に大電流を必要とするため、個人レベルで出来る処理ではありません。

さらにマグネシウムパーツにスチールやステンレスの部品等が組みこまれれていると、電解処理で溶解するという難点もあります。


放電陽極酸化処理に匹敵する本格化成処理で酸化を抑制


規定温度に温めた水溶液タイプの専用化成処理液に規定時間漬け込むと、薬品とマグネシウムが化学的に反応して黒色の被膜を作ります。

これは塗装のように表面に乗るものではなく、内部に浸透することでマグネシウムの活性を抑制して酸化の進行を抑えます。



アルマイトと似た原理ですが、アルマイトと違ってマグネシウムの化成処理被膜には硬さがありませんので、被膜の上からマグネシウム専用のエポキシプライマーでがっちり固めて下地を作ります。

マグネシウム専用化成処理+マグネシウム専用エポキシプライマーの2段構えで酸化を抑えつつ上塗りの下地を作る、これが「マグリコート」です。
(*この上にパウダーコートの専用プライマーも基本必須なので実質的に3段構えになります)



注意事項


「マグリコート」をしたからといって、以降の酸化腐食が100%起きない、仕上がり感がアップする、と言う事ではありません。

以降の酸化腐食に関しても仕上がり感に関しても、元の状態にある程度依存されますので、最大現出来得る処理を施し、酸化腐食を起き難くする、抑制する、と言うのが目的の処理です。